2010年4月20日火曜日

うつ病チェック、企業健診で義務化へ

 今朝(4月20日)のasahi.comに「うつ病チェック、企業健診で義務化へ 厚労省方針」が掲載されています(こちら)。

 厚労省労働安全衛生部担当者は法令改正が必要か、省令改正で対応しうるのか今後検討するとコメントしていますが、いずれにしても今年中には、専門家研究会および労働政策審議会安全衛生分科会で同問題が審議される事になるのでしょう。

 その際、間違いなく大きな論点となるのが、労働者本人の個人情報保護の問題です。メンタルヘルス疾患に係る健康情報は個人情報の中でも保護の優先順位が極めて高いものであることは論を待ちません。これを既存の労働安全衛生法における定期健康診断項目にそのまま追加すると、同情報が本人同意なく事業主がこれを把握することになります。事業主としては、同情報を基に労働安全衛生法・安全配慮義務による就労制限などの措置を講じやすくなりますが、労働者の中には、同情報を事業主に知られたくないというケースも想定しえます。

 現に「労働者の心の健康の保持増進のための指針」策定にあたり、重要な基盤となった研究会報告書(職場におけるメンタルヘルス対策のあり方検討委員会)においても、個人情報保護の観点からメンタルヘルスチェックに際し、本人から同意を得ることなどが指摘されています(こちら p24以下)。

 労働安全衛生法の改正によって、労働者本人の同意を不要とするのか、あるいはメンタルヘルス情報の性質に照らして、他の健診項目と異なる取扱いとするのか。今後の研究会・審議会等の議論を見守る要がありそうです。

 

0 件のコメント: