2008年11月27日木曜日

映画「スワロウテイル」再見

 岩井監督のデビュー当初、食わず嫌いのわたくしは同作品を意識的に避けていました。まずもって邦画であるにもかかわらず、洋画エンディングの如く、キャストをローマ字表記横書きで出すところからして、鼻もちならん人と思っていました(笑)。

 それが社会人となり、友人から岩井作品を薦められてからは一転、岩井さんの最新作がかかるとなると、真っ先に映画館に駆けつけるようになってしまいました。岩井監督も私のいちゃもんを知ってか知らずか(知りません!)、「四月物語」では邦画らしく、漢字縦書きでキャスト紹介されたので、更に好感UPしたものです。

 ここ最近は「市川崑物語」などの小品を除いて、岩井監督の最新作がご無沙汰で少々、さびしい思いをしています。そのためか、ビデオ屋に寄っては、過去の岩井作品を借り出し、何度目かの再見を繰り返している今日この頃。先日は「スワロウテイル」を見返してましたが、今だに面白い。同作品の核はやはりYEN TOWN BANDの「Swallowtail Butterfly」。charaの歌声を聞くだけでも、わたくしなどは涙腺がゆるみっぱなしで、それだけでこの映画をみる価値があります。また再見で初めて魅了されたのは、三上博史さん演じるフェイホンという人物。初見の際は、全く同人物に感情移入できませんでしたが、四捨五入すると40になる年を迎えたせいからか、同人物の抱く夢や、その人間的弱さに強く惹かれるものを感じた次第。彼がcharaの看板を見上げるシーンがまたいいのです。公開時の「フジTV大量動員商法」に嫌悪感を覚え、避けてとおった方にこそ、強くお勧めをしたい映画の一つです。それにしても月並みですが、お金は怖いものですね。ちょうど岩井さんが売れ出した頃に撮られた作品であるからか、お金への違和感がとても素直に表現されていて、しんみりさせられました。最後に同作品に出ている伊藤歩、光石研、塩見三省、田口トモロウなど多くの出演者が今現在、活躍されていることが嬉しいですね。岩井さんの目の確かさを再認識させられるところです。

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