昨日、名古屋大学で開催された日本労働法学会に出席しました。個別報告(戸谷会員「フランスにおける企業倒産と解雇」)、シンポジウムいずれも大変に勉強になり、刺激を受けました(こちら)。
今回のシンポジウムは東アジアの個別労働紛争解決制度がテーマとなり、韓国、台湾、中国、日本の4国の各制度の現状と課題について、勉強させていただきました。同シンポジウムで印象的であったのが、日本の労使紛争件数の少なさです。以前からヨーロッパ諸国との比較で日本の労使紛争件数の少なさが指摘されるところでしたが、野田進先生の報告では、中国、韓国、台湾と比べてもその少なさが顕著であることが指摘されています。
その後の質疑応答の中で、野田先生からは日本の労使紛争解決制度が今なお十分ではないことが、件数が少ないことの主要原因ではないかとのコメントがありました。確かにその面もあろうかと思いますが、一つの仮説として、我が国では企業内の自主的な労使紛争解決(一例として、会社側が労働者からの苦情を聞き、一定の対応を講じようとする傾向が高いということ等)が相応に機能している面もその要因の一つに挙げられないか。同仮説の立証を社会科学分野(法社会学の分野でしょうか?)において行うことは大変、難しいとは思いますが、そのような雑感を感じた次第。
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