本日(6月8日)、中日新聞に以下の記事が掲載されています(こちら)。
【社会】
違法派遣で是正指導 宇部三菱セメント名古屋支店に
2010年6月8日 09時14分
セメント大手・宇部三菱セメント名古屋支店(名古屋市中区、本社・東京)が労働者派遣法に反し、専門職として派遣された女性にお茶くみなどをさせていたとして、愛知労働局が是正指導していたことが分かった。派遣元のスタッフサービス(東京)は3月、東京労働局から同様の違反が相次いだのに改めないとして、事業改善命令を受けたばかり。愛知労働局は、同社が今回の違反を知っていたかも調べている。是正指導は今月2日付。
派遣契約外の仕事をさせられていたのは、愛知県の30代女性。この女性によると、2006年10月から今年5月まで、パソコン操作などの担当としてスタッフサービスから派遣され、宇部三菱の名古屋支店の総務担当課に勤めていた。
ところが、実際の仕事は半分以上が派遣業務と無関係のお茶くみや、宅配便の発送、備品管理など庶務的な仕事。契約が3カ月ごとの更新のため「長く働かせてほしいと思い、専門業務以外のことを頼まれても嫌と言えなかった」という。
厚生労働省の指針では、派遣先は契約業務以外の仕事をさせないよう上司への指導を徹底することなどを定めているが、同社は十分に指導していなかった。
同社総務部の担当者は「専門業務の付随的なものとしてやってもらったことが、結果的に限度を超えてしまった。管理の甘さがあった」と認めている。
女性は4月下旬、愛知労働局に業務内容の“偽装”を申告。同労働局は5月中旬、同社名古屋支店に立ち入り調査し、派遣法違反があったと確認した。
(中日新聞)
たしかに上記大手派遣元については、すでに同種指導例が本年3月1日付けで東京労働局からなされており、4月の拙セミナーでご紹介させていただいたところでした(同局HPでのプレス発表記事はこちら)。
派遣元に問題がありそうな気がいたしますが、マスコミが総じて大きく報道するのが、やはり派遣先の大手企業名。本ブログにおいても、すでにご案内のとおりではありますが、改めて派遣先企業自身の内部監査が同種案件を防止するために有効と考える次第です。拙事務所は同内部監査の支援をスポット契約でご提供させていただいております。お気軽にお声がけ頂ければ幸いです
なお拙関連ブログは以下のとおりです。
2010年2月10日 「専門26業務派遣適正化プラン」に基づく監督指導強化への対応(こちら)
2010年3月11日 「専門26業務派遣適正化プラン」に基づく行政指導例について(こちら)
2010年4月15日 「専門26業務適正化プラン」講演について(こちら)
2010年5月28日 「専門26業務に関する疑義応答集」の発出(こちら)
ところで改正派遣法案の行方はどうなるのでしょうか。新国対委員長が「連立方程式」と称したようですが、支持率、選挙協力、選挙資金など複雑多岐な計算の中に「改正派遣法案」が絡まっている感があります。残された会期の少なさ(延長したとしても、最大2週間程度であればやはり厳しい)、強行採決による支持率への悪影響(+に転じる可能性はない?)などを考えれば、継続審議が順当なところと思われますが、政界の名言「一寸先は闇」。改正派遣法案の動向も、もう少し見守る要があると感じております。
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