2010年2月10日水曜日

「専門26業務派遣適正化プラン」に基づく監督指導強化への対応

 昨日(2月9日)の日経新聞に「厚労省、違法派遣の防止を要請へ 関係団体に」が掲載されていました(こちら)。

 大手企業を見渡してみますと、事務系職場に少なからず派遣社員が働いておられますが、その多くが「事務用機器操作」あるいは「ファイリング」の専門26業務で派遣されています。同26業務に該当する限り、派遣期間制限(原則1年、労使協定で3年)を受けないものですが、事務系派遣社員の就労実態を見ますと、本当に「事務用機器操作」「ファイリング」業務であるのか、首をかしげるケースも少なからずあったように思われます。

 ここ数年、労働局需給調整事業部は同専門業務と称する事務系派遣についても、「実態」を調査の上、指導を行うケースが増えてきていましたが、まだまだ派遣元・先ともに危機感が希薄であった感があります。

 そのような現場をもはや放置できない可能性が出てきました。これが上記記事で紹介されております新通達の発出です。昨日の厚労省HPにも、同通達がUPされています(こちら)。
 同記事を見ますと、主に派遣元に対する指導強化と受け取れるところですが、上記HPの別紙4にある平成22年2月8日付け職発0208第1号「専門26業務派遣適正化プランの実施について」を見ますと、以下の記述が見られます。

 「専門26業務での労働者派遣の実績の多い派遣元事業主を対象に、集中的に、・・特に事務関連業務での派遣について・・・専門26業務と称した違法派遣の是正に向けて厳正な指導監督を行うこと」。
「この場合、必ず当該派遣元事業主から当該専門26業務での労働者派遣の役務の提供を受けている派遣先についても併せて指導監督を行い、法違反があった場合には是正指導を行うこと」

 ユーザー企業側も同通達に基づく監督指導については、全く他人事ではありません。同HPの別紙1別添に掲載されている「一般事務と混同されやすい事務用機器操作とファイリングについての留意事項」を基に事務系派遣社員の業務内容とその実態を再点検しておく要があるものです。

 同通達によれば、労働局需給調整事業部は平成22年3月~4月に2ヶ月間に集中的な指導監督を実施するとしています。本当に急な話ではありますが、今月から来月に向けて、人事労務担当部門の緊急課題となります。私もすでに何件か、派遣・請負に係る監査のご依頼を大手企業より頂いておりましたが、その重要性が更に増した感があります。その後の対応も含めて、知恵を絞っていかなければなりません。

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