三上先生には、このような難しいテーマを大変分かりやすく、かつ先生の実務経験をふんだんに織り込んでいただきながらご解説を頂きました。他の参加者の方々にも、大変参考になった講演ではなかったでしょうか。
ご講演の中でとりわけ印象的であったのは、賃金引き下げなどの厳しい局面における団体交渉、個別説明の際には、当事者の「得心」はありえないということ。そして会社側としては、誠意をもって会社側事情の説明を行っていく他ないというお話です。
労使紛争の事案の多くは、どこかで労使間のボタンが掛け違って生じることが多いように思われます。そのボタンの掛け違いは、労使間のコミュニケーションが十分取れていないことに起因するものです。はじめはほんのささいな掛け違いが、労使紛争が長期化すればするほど、どんどん大きくなっていく感がありますが、それを元通りにするためには、初期段階の数十、数百倍の労力がかかってしまうことが多いものです。労使関係もやはり「はじめが肝心」であり、労働条件変更、希望退職募集などの際に、十分な労使コミュニケーションを取っておくことが、やはり最重要というべきでしょう。三上先生のご講演を拝聴し、改めて痛感しました。
0 件のコメント:
コメントを投稿