2009年8月26日水曜日

市条例による第2の最低賃金規制?


 昨日、asahi.comにおいて以下のニュースが配信されていました。「最低賃金、市が決定 千葉・野田市、業務委託契約条例案」(こちら)。

 同報道によれば、野田市が以下の条例案を9月の市議会に提出することを決めたようです。

 同条例案では、野田市が業者と一定金額以上の公共工事、業務委託契約(※施設清掃・機器の保守管理等に限定)を締結する際、同受注業者は「市長が定める最低賃金以上の給与」を支払わなければならないとし、これに違反した場合は、契約の解除、損害賠償請求を行うことができるとする他、下請け業者がこれに反した場合、受注者が連帯してその責任を負うことを求めるものです。

 また同市独自の最低賃金額の基準は「農林水産省と国土交通省が公共事業の積算に用いる労務単価や、市職員の給与条例を勘案して決める」としています。

 以前から、公共部門から民間への業務委託の拡大と、一般競争入札の広がりに伴い、受託業者に雇用される労働者の労働条件の低さが顕在化し、指摘され続けていました。何らかの対応が要請されていることはそのとおりと思いますが、その際も以下の点への考慮は必要ではないかと考えます。

・同一価値労働同一賃金の観点から見た公務員(これに準ずる職員)と業務受託業者等の労働者との労働条件格差(特に賃金)の問題

 ・上記問題に際して、民間市場における業務受託料金の水準をどのように考えるのか、あるいは同水準を考慮することなく、公務員給与水準に合わせる方向で対応するのか

 ・公務員給与水準をどのように考えるか

・市条例等で最低賃金額を設定する際の決定プロセス・関与者、その内容の合理性
(※国の最低賃金決定に準じ、公労使3者構成で協議・決定するのか、あるいは市独自で判断?)

・国の最低賃金制度との関係をどのように考えるか

 いずれにしても注目すべき動きであるといえ、今後の動向を追っていきたいと思います。


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