2009年4月28日火曜日

(読書)自壊する帝国

佐藤優「自壊する帝国」(新潮社 2006)

  起訴休職外務事務官の佐藤優氏が、ソ連崩壊までの外交官活動・個人的交友等を振り返った一書。タイトルに示すとおり、ソ連がいかにして自壊していったのか、佐藤氏の外交官経歴の流れで述べられており、大変読みやすい。またクレムリンを取り巻く共産党・教会・大学・知識人の視点から、ソ連そしてロシアが描かれている点がとても興味深いところ。

 イデオロギーを組織統合(国家まで含む)の求心力であるとすれば、その求心力が失われゆく中の混乱こそがソ連の自壊であったとの念を強くしました。そのように考えれば、このソ連の自壊と再生の物語は、他国・他組織においても貴重な示唆を与えてくれるやもしれません。

 同書を契機に、ソ連崩壊とロシアが至ったここ数10年の歴史を改めて勉強したいと思う次第。

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