2011年12月26日月曜日

有期労働契約の利用可能期間規制案について(労政審建議)

平成23年12月26日、労働政策審議会は「有期労働契約の在り方について」(建議 こちら)を公表しました。厚労省は同建議を受けて、法案要綱案を取りまとめ、審議会で答申を得た上で平成24年度通常国会に関係法案の提出準備を進める予定です。

 先日の拙ブログでも取り上げたとおり、同報告書において最も注目すべきは「有期労働契約の利用可能期間」規制を提案している点です。前回の分科会では、利用可能期間を初めとした具体的数字が示されませんでしたが、今回初めて具体的な数字が明らかとなりました。

 有期労働契約の利用可能期間 上限5年
 クーリング期間 原則6ヶ月(有期契約が通算で1年未満の場合は、その2分の1)

これを超過し、有期労働契約を反復更新した場合、労働者の申出によって、当該労働契約は無期契約に転換する制度が提案されているものです。

問題はまずいつ転換されるかですが、厚労省担当者によれば、有期契約が終了した日の翌日から、無期契約になるとの事。

 また無期契約に転換した場合、その労働条件等が気になるところですが、これについて前述の建議では以下の記述が見られます。
「別段の定めのない限り、従前と同一とする。」

 したがって無期に転換したとしても、必ずしも既存の「正社員」と同様の処遇にすることが義務づけられるものではなく、労働条件等は有期契約時と同一のものが引き継がれることが「原則」となります。ただ気になるのが「別段の定めのない限り」との留保です。これについては、実務的にも十分に検討を要する点と思われます。

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