本日(3月28日)、参院本会議で改正派遣法案が可決、成立しました(asahi.comはこちら)。紆余曲折の多い法案であり、自公民修正によって当初の閣法から「登録型派遣、製造派遣の原則禁止」規定が削除されています。この点からマスコミ等は「骨抜き」であるとの指摘を繰り返し行っていますが、同改正法では、紛れもなく派遣元・先規制が強化されています。
特に派遣先(ユーザ企業)から見て注視すべきは「みなし雇用制度」の創設と思われます。これは端的に言えば、偽装請負、専門26業務適正化プラン違反(正確には派遣制限期間超過)等の場合、派遣先が派遣社員に雇用を申し込んだものとみなされる制度であり、今後、同トラブルが再燃することが懸念されるところです。なお同みなし雇用の施行は3年後を予定しています。
2012年3月28日水曜日
2011年2月8日火曜日
派遣法案は予算関連法案成立のための約束手形?
今朝の朝日新聞の報道(こちら)に以下の記事が掲載されています。
首相は7日、首相官邸で記者団に「社民党、国民新党とともに(2009年の)3党連立合意に盛り込んだ政策を実現したい」と語った。社民党が求める労働者派遣法の抜本改正と、国民新党がこだわる郵政改革法案を衆院「3分の2」に相当する318議席以上の賛成を得て再可決、成立させる姿勢を示すことで、予算関連法案への賛成を取り付けたい考えだ。
派遣法案が予算関連法案成立のために、いわば約束手形として振り出される(「振り出され続けている」ともいえる)との事ですが、問題はその手形の支払い期日(成立日)です(これだけでは「お金」(議席)を貸していただけないようですが)。外野席から見ると、債権者・債務者ともに信頼関係が著しく失われているため、支払い期日を先に延ばすのは一般に難しいようにも思えます。
年度末(さすがにないと思いますが)もしくは来年度当初の派遣法案強行採決があるかどうかが、当面気になるところです。
それにしましても、労働者派遣法案そのものがきちんと顧みられず、名実ともに「政争の具」として扱われ続けている状況を憂慮するものです。先生方には法律の「製造責任」があることをお忘れなく(アメリカの立法(タフト・ハートレー法など)のように、法律に政治家の名前を付ければ、もう少しは製造責任を考えていただけるようにも思いますが如何に。派遣法であれば「福島・亀井・管」法でしょうか(笑))。
首相は7日、首相官邸で記者団に「社民党、国民新党とともに(2009年の)3党連立合意に盛り込んだ政策を実現したい」と語った。社民党が求める労働者派遣法の抜本改正と、国民新党がこだわる郵政改革法案を衆院「3分の2」に相当する318議席以上の賛成を得て再可決、成立させる姿勢を示すことで、予算関連法案への賛成を取り付けたい考えだ。
派遣法案が予算関連法案成立のために、いわば約束手形として振り出される(「振り出され続けている」ともいえる)との事ですが、問題はその手形の支払い期日(成立日)です(これだけでは「お金」(議席)を貸していただけないようですが)。外野席から見ると、債権者・債務者ともに信頼関係が著しく失われているため、支払い期日を先に延ばすのは一般に難しいようにも思えます。
年度末(さすがにないと思いますが)もしくは来年度当初の派遣法案強行採決があるかどうかが、当面気になるところです。
それにしましても、労働者派遣法案そのものがきちんと顧みられず、名実ともに「政争の具」として扱われ続けている状況を憂慮するものです。先生方には法律の「製造責任」があることをお忘れなく(アメリカの立法(タフト・ハートレー法など)のように、法律に政治家の名前を付ければ、もう少しは製造責任を考えていただけるようにも思いますが如何に。派遣法であれば「福島・亀井・管」法でしょうか(笑))。
2010年9月22日水曜日
細川厚労大臣の決意表明? 臨時国会における改正派遣法案の動向
来月10月1日からの臨時国会開会が本決まりとなりました。人事労務畑では改正派遣法案の動向が気になるところですが、細川律夫新厚生労働大臣は今朝の日経新聞インタビューにおいて、改正派遣法案の成立に意欲を示しています(こちら)。
細川律夫厚生労働相は労働者派遣法改正案について「雇用のセーフティーネットを考えれば、どうしてもやらなければならない法案だ」と述べ、次の臨時国会での成立を目指す方針を示した。同法案は製造業派遣の原則禁止などを盛り込んでおり、先の通常国会で継続審議になっている。
審議未了となった先の国会においても、派遣法案に関する国会答弁は主に細川氏が担当されていました(当時 副大臣)。また労働契約法等の修正にも携わった経緯等からも、民主党内にで労働法分野の第一人者と目されるところと思われますので、上記ご発言も当然かと。
問題はいうまでもなく参議院における与野党合意の難しさですが、この点を踏まえて、法案修正に応じるのか、応じるとして、いかなる修正がなされるのか。臨時国会における審議状況が注目されるところです。
細川律夫厚生労働相は労働者派遣法改正案について「雇用のセーフティーネットを考えれば、どうしてもやらなければならない法案だ」と述べ、次の臨時国会での成立を目指す方針を示した。同法案は製造業派遣の原則禁止などを盛り込んでおり、先の通常国会で継続審議になっている。
審議未了となった先の国会においても、派遣法案に関する国会答弁は主に細川氏が担当されていました(当時 副大臣)。また労働契約法等の修正にも携わった経緯等からも、民主党内にで労働法分野の第一人者と目されるところと思われますので、上記ご発言も当然かと。
問題はいうまでもなく参議院における与野党合意の難しさですが、この点を踏まえて、法案修正に応じるのか、応じるとして、いかなる修正がなされるのか。臨時国会における審議状況が注目されるところです。
2010年7月27日火曜日
東京都主催労働セミナー「派遣労働者の人事・労務管理のポイント」講演について
平成22年9月6日、13日(いずれも月、14時~16時、会場は飯田橋の東京しごとセンター9F、参加費無料)、東京都主催の労働セミナーで「派遣労働者の人事・労務管理のポイント」について講演いたします(詳細はこちら)。
恐らく9月のセミナー講演時点でも、まだ改正派遣法案の命運は定まっていないと思われますが、その最新動向はもちろん、派遣法の基礎および最近、実務上大きな問題として浮上している「専門26業務適正化プラン」への対応なども解説する予定です。
ぜひともご利用いただければ幸いです。
恐らく9月のセミナー講演時点でも、まだ改正派遣法案の命運は定まっていないと思われますが、その最新動向はもちろん、派遣法の基礎および最近、実務上大きな問題として浮上している「専門26業務適正化プラン」への対応なども解説する予定です。
ぜひともご利用いただければ幸いです。
2010年7月22日木曜日
改正派遣法案の動向ー前国会委員会審議にみる公明党とみんなの党の立場の近さー
先の通常国会における派遣法案の審議状況を確認しようと、衆議院hpの厚生労働委員会議事録を読みふけっておりましたところ、これからの派遣法案動向を左右する公明党、みんなの党の質問内容の近さに気がつきました(平成22年5月28日衆議院厚生労働委員会)。
公明党からは坂口力委員(前厚労大臣)が質問されていますが、そこで主に議題とされていたのが、派遣法規制強化による雇用市場全体への影響、とりわけ請負へのシフト化を前提とした請負会社の就労条件でした。政府側も請負会社に関する政府調査が十分に行われていない関係上、坂口委員の質問に十分に答えうるところではありませんでしたが、答弁によると概ね派遣社員と請負社員の労働条件に大きな相違性がないように思われました。
みんなの党は柿澤委員が答弁にたっていますが、そこでも指摘されていたのが、派遣規制強化による「請負へのシフト化」とこれに伴う当該従業員の労働条件低下への懸念でした。
同質疑からみると、9月以降の国会で改正派遣法案が審議される場合は、派遣規制強化に伴う「請負シフト化」への対応策が「国会対策上」も重要なポイントとなる可能性があるように思われます。
それはさておき、同委員会議事録をみておりますと、大臣答弁などで以下の注目すべき発言がみられます。改正法案が成立した場合は、通達、指針等の改正がすでに予定されているとみるべきでしょう(主に平成22年4月23日衆院厚生労働委員会議事録から)
・専門26業務の内容については再検討をおこない、登録型派遣の原則禁止(施行から3年以内)までに目処をつける
・常用雇用の定義から、日々雇用で1年以上の雇用見込みがあるものを除くこととする
・常用雇用の派遣労働者については、雇用契約書等で更新回数を明らかとするよう派遣元指針に明記し、指導。
公明党からは坂口力委員(前厚労大臣)が質問されていますが、そこで主に議題とされていたのが、派遣法規制強化による雇用市場全体への影響、とりわけ請負へのシフト化を前提とした請負会社の就労条件でした。政府側も請負会社に関する政府調査が十分に行われていない関係上、坂口委員の質問に十分に答えうるところではありませんでしたが、答弁によると概ね派遣社員と請負社員の労働条件に大きな相違性がないように思われました。
みんなの党は柿澤委員が答弁にたっていますが、そこでも指摘されていたのが、派遣規制強化による「請負へのシフト化」とこれに伴う当該従業員の労働条件低下への懸念でした。
同質疑からみると、9月以降の国会で改正派遣法案が審議される場合は、派遣規制強化に伴う「請負シフト化」への対応策が「国会対策上」も重要なポイントとなる可能性があるように思われます。
それはさておき、同委員会議事録をみておりますと、大臣答弁などで以下の注目すべき発言がみられます。改正法案が成立した場合は、通達、指針等の改正がすでに予定されているとみるべきでしょう(主に平成22年4月23日衆院厚生労働委員会議事録から)
・専門26業務の内容については再検討をおこない、登録型派遣の原則禁止(施行から3年以内)までに目処をつける
・常用雇用の定義から、日々雇用で1年以上の雇用見込みがあるものを除くこととする
・常用雇用の派遣労働者については、雇用契約書等で更新回数を明らかとするよう派遣元指針に明記し、指導。
2010年7月12日月曜日
みんなの党アジェンダにみる労働政策~派遣法案改正~
昨日の選挙において、みんなの党が躍進しました。参議院の過半数を失った与党は今後、みんなの党を初めとした野党と連携を強めていくものと思われますが、同党の労働政策はどのようなものでしょうか。アジェンダをみると、以下の記述が見られます(こちら)。
2.格差を固定しない「頑張れば報われる」雇用・失業対策を実現する
原則として全ての労働者(非正規を含む)に雇用保険を適用。
同一労働同一待遇(賃金等)や正規・非正規社員間の流動性を確保。
雇用保険と生活保護の隙間を埋める新たなセーフティーネットを構築。雇用保険が切れた長期失業者、非正規労働者等を対象に職業訓練を実施。その間の生活支援手当の給付、医療保険の負担軽減策、住宅確保支援を実施。
民主党政権の「派遣禁止法案」は、かえって働き方の自由を損ない、雇用を奪うものであり反対。
景気や中小企業の経営状況を見極めながら、最低賃金を経済成長により段階的にアップ。残業割増率を先進国並みに引き上げ、サービス残業の取締りを強化(雇用拡大と子育て支援にも効果)。
ハローワークを原則民間開放。民間の職業紹介・訓練への助成を拡充。
この中でとくに興味深いのが「民主党政権の派遣禁止法案」への明確な反対の姿勢です。改正派遣法案は次期国会において継続審議扱いとされていますが、みんなの党が明確に反対している状況では、現法案のまま可決成立する可能性は極めて低くなったと思われます。その一方、非正規労働者の格差問題是正に言及していますので、「派遣禁止」ではなく「派遣労働者の格差是正」には関心があるようです。
同スタンスが今後の派遣法案改正に対して、どのような影響を与えるのか注目されます。
2.格差を固定しない「頑張れば報われる」雇用・失業対策を実現する
原則として全ての労働者(非正規を含む)に雇用保険を適用。
同一労働同一待遇(賃金等)や正規・非正規社員間の流動性を確保。
雇用保険と生活保護の隙間を埋める新たなセーフティーネットを構築。雇用保険が切れた長期失業者、非正規労働者等を対象に職業訓練を実施。その間の生活支援手当の給付、医療保険の負担軽減策、住宅確保支援を実施。
民主党政権の「派遣禁止法案」は、かえって働き方の自由を損ない、雇用を奪うものであり反対。
景気や中小企業の経営状況を見極めながら、最低賃金を経済成長により段階的にアップ。残業割増率を先進国並みに引き上げ、サービス残業の取締りを強化(雇用拡大と子育て支援にも効果)。
ハローワークを原則民間開放。民間の職業紹介・訓練への助成を拡充。
この中でとくに興味深いのが「民主党政権の派遣禁止法案」への明確な反対の姿勢です。改正派遣法案は次期国会において継続審議扱いとされていますが、みんなの党が明確に反対している状況では、現法案のまま可決成立する可能性は極めて低くなったと思われます。その一方、非正規労働者の格差問題是正に言及していますので、「派遣禁止」ではなく「派遣労働者の格差是正」には関心があるようです。
同スタンスが今後の派遣法案改正に対して、どのような影響を与えるのか注目されます。
2010年7月10日土曜日
拙稿「専門26業務派遣における雇入申込み義務」労働法令通信掲載について
労働法令通信(2010.7.8号)に拙稿「判例研究 専門26業務派遣における雇入申込み義務」が掲載されました(こちら)。
三洋アクア事件を題材に専門26業務派遣における雇入申込み義務の解説を行ったものです。この問題は継続審議扱いとなった改正派遣法案と密接な関わりがありますし、また実務上も労使トラブルが増加傾向にあり、重要性を増しています。ご関心ある方はご一読いただければ幸いです。
判例実務研究会の報告内容を掲載いただいたものですが、同研究会では判例法理・行政運用および実務対応双方の面で、毎回、活発かつ深い議論が展開され、大変勉強になっている次第です。
三洋アクア事件を題材に専門26業務派遣における雇入申込み義務の解説を行ったものです。この問題は継続審議扱いとなった改正派遣法案と密接な関わりがありますし、また実務上も労使トラブルが増加傾向にあり、重要性を増しています。ご関心ある方はご一読いただければ幸いです。
判例実務研究会の報告内容を掲載いただいたものですが、同研究会では判例法理・行政運用および実務対応双方の面で、毎回、活発かつ深い議論が展開され、大変勉強になっている次第です。
2010年6月16日水曜日
平成22年度通常国会の閉会
本日、会期通り平成22年度通常国会が閉会しました。5月末から6月初旬にかけて、派遣法改正案関係で国会の動向を追っかけておりましたが、「一体何だったんだろう」というのが正直な感想です。
いずれにしましても、拙ブログでウォッチングしておりました「改正派遣法案」は本国会で成立せず、次期国会で継続審議されることになります(毎日新聞記事こちら)。
あまり報じられていないのですが、厚労省関係の法案で「障害者自立支援法改正案」が与党・自民・公明の共同提出(衆法)で提出されており、衆院通過、参院厚生労働委委員会可決し、参院本会議での採決を待つのみでした。私も社会保障法学会で取り上げられていた報告を聞いていた程度の知識しかないのですが、サービス利用の際の自己負担額見直しなど、当事者から見ると重要な改正内容が含まれていたようです。
(衆院通過段階での朝日新聞記事はこちら)。
同法案については、本日の参院本会議で採決される予定であったと思われますが、それも「政治判断」でお流れの模様。また拙ブログで少し取り上げました民訴法改正案も参院委員会で6月1日可決され、参議院本会議での採決を待つのみでした(こちら)が、これも同様。
参院に残っている法案は、参議院選挙の改選を控えているため、軒並み廃案になります。閣法の成立率がワースト記録を更新する旨、報じられていますが、参院にかけてしまい審議未了で廃案になる重要法案がこれだけ多い通常国会も例をみないのではないかと思われます(日経新聞記事はこちら)。
霞ヶ関の悲哀をよそに、先生方はこれからが本番。暑い7月を迎えることになりそうです。
(6月17日追記 さきほど法務省に確認を取りましたが、やはり改正民訴法案は廃案扱いとの事。障害者自立支援法案(衆法)も廃案。やるとすれば、また一から出し直しとなります。)
いずれにしましても、拙ブログでウォッチングしておりました「改正派遣法案」は本国会で成立せず、次期国会で継続審議されることになります(毎日新聞記事こちら)。
あまり報じられていないのですが、厚労省関係の法案で「障害者自立支援法改正案」が与党・自民・公明の共同提出(衆法)で提出されており、衆院通過、参院厚生労働委委員会可決し、参院本会議での採決を待つのみでした。私も社会保障法学会で取り上げられていた報告を聞いていた程度の知識しかないのですが、サービス利用の際の自己負担額見直しなど、当事者から見ると重要な改正内容が含まれていたようです。
(衆院通過段階での朝日新聞記事はこちら)。
同法案については、本日の参院本会議で採決される予定であったと思われますが、それも「政治判断」でお流れの模様。また拙ブログで少し取り上げました民訴法改正案も参院委員会で6月1日可決され、参議院本会議での採決を待つのみでした(こちら)が、これも同様。
参院に残っている法案は、参議院選挙の改選を控えているため、軒並み廃案になります。閣法の成立率がワースト記録を更新する旨、報じられていますが、参院にかけてしまい審議未了で廃案になる重要法案がこれだけ多い通常国会も例をみないのではないかと思われます(日経新聞記事はこちら)。
霞ヶ関の悲哀をよそに、先生方はこれからが本番。暑い7月を迎えることになりそうです。
(6月17日追記 さきほど法務省に確認を取りましたが、やはり改正民訴法案は廃案扱いとの事。障害者自立支援法案(衆法)も廃案。やるとすれば、また一から出し直しとなります。)
2010年6月8日火曜日
専門26業務適正化プランの広がり?~違法派遣で是正指導~
本日(6月8日)、中日新聞に以下の記事が掲載されています(こちら)。
【社会】
違法派遣で是正指導 宇部三菱セメント名古屋支店に
2010年6月8日 09時14分
セメント大手・宇部三菱セメント名古屋支店(名古屋市中区、本社・東京)が労働者派遣法に反し、専門職として派遣された女性にお茶くみなどをさせていたとして、愛知労働局が是正指導していたことが分かった。派遣元のスタッフサービス(東京)は3月、東京労働局から同様の違反が相次いだのに改めないとして、事業改善命令を受けたばかり。愛知労働局は、同社が今回の違反を知っていたかも調べている。是正指導は今月2日付。
派遣契約外の仕事をさせられていたのは、愛知県の30代女性。この女性によると、2006年10月から今年5月まで、パソコン操作などの担当としてスタッフサービスから派遣され、宇部三菱の名古屋支店の総務担当課に勤めていた。
ところが、実際の仕事は半分以上が派遣業務と無関係のお茶くみや、宅配便の発送、備品管理など庶務的な仕事。契約が3カ月ごとの更新のため「長く働かせてほしいと思い、専門業務以外のことを頼まれても嫌と言えなかった」という。
厚生労働省の指針では、派遣先は契約業務以外の仕事をさせないよう上司への指導を徹底することなどを定めているが、同社は十分に指導していなかった。
同社総務部の担当者は「専門業務の付随的なものとしてやってもらったことが、結果的に限度を超えてしまった。管理の甘さがあった」と認めている。
女性は4月下旬、愛知労働局に業務内容の“偽装”を申告。同労働局は5月中旬、同社名古屋支店に立ち入り調査し、派遣法違反があったと確認した。
(中日新聞)
たしかに上記大手派遣元については、すでに同種指導例が本年3月1日付けで東京労働局からなされており、4月の拙セミナーでご紹介させていただいたところでした(同局HPでのプレス発表記事はこちら)。
派遣元に問題がありそうな気がいたしますが、マスコミが総じて大きく報道するのが、やはり派遣先の大手企業名。本ブログにおいても、すでにご案内のとおりではありますが、改めて派遣先企業自身の内部監査が同種案件を防止するために有効と考える次第です。拙事務所は同内部監査の支援をスポット契約でご提供させていただいております。お気軽にお声がけ頂ければ幸いです
なお拙関連ブログは以下のとおりです。
2010年2月10日 「専門26業務派遣適正化プラン」に基づく監督指導強化への対応(こちら)
2010年3月11日 「専門26業務派遣適正化プラン」に基づく行政指導例について(こちら)
2010年4月15日 「専門26業務適正化プラン」講演について(こちら)
2010年5月28日 「専門26業務に関する疑義応答集」の発出(こちら)
ところで改正派遣法案の行方はどうなるのでしょうか。新国対委員長が「連立方程式」と称したようですが、支持率、選挙協力、選挙資金など複雑多岐な計算の中に「改正派遣法案」が絡まっている感があります。残された会期の少なさ(延長したとしても、最大2週間程度であればやはり厳しい)、強行採決による支持率への悪影響(+に転じる可能性はない?)などを考えれば、継続審議が順当なところと思われますが、政界の名言「一寸先は闇」。改正派遣法案の動向も、もう少し見守る要があると感じております。
【社会】
違法派遣で是正指導 宇部三菱セメント名古屋支店に
2010年6月8日 09時14分
セメント大手・宇部三菱セメント名古屋支店(名古屋市中区、本社・東京)が労働者派遣法に反し、専門職として派遣された女性にお茶くみなどをさせていたとして、愛知労働局が是正指導していたことが分かった。派遣元のスタッフサービス(東京)は3月、東京労働局から同様の違反が相次いだのに改めないとして、事業改善命令を受けたばかり。愛知労働局は、同社が今回の違反を知っていたかも調べている。是正指導は今月2日付。
派遣契約外の仕事をさせられていたのは、愛知県の30代女性。この女性によると、2006年10月から今年5月まで、パソコン操作などの担当としてスタッフサービスから派遣され、宇部三菱の名古屋支店の総務担当課に勤めていた。
ところが、実際の仕事は半分以上が派遣業務と無関係のお茶くみや、宅配便の発送、備品管理など庶務的な仕事。契約が3カ月ごとの更新のため「長く働かせてほしいと思い、専門業務以外のことを頼まれても嫌と言えなかった」という。
厚生労働省の指針では、派遣先は契約業務以外の仕事をさせないよう上司への指導を徹底することなどを定めているが、同社は十分に指導していなかった。
同社総務部の担当者は「専門業務の付随的なものとしてやってもらったことが、結果的に限度を超えてしまった。管理の甘さがあった」と認めている。
女性は4月下旬、愛知労働局に業務内容の“偽装”を申告。同労働局は5月中旬、同社名古屋支店に立ち入り調査し、派遣法違反があったと確認した。
(中日新聞)
たしかに上記大手派遣元については、すでに同種指導例が本年3月1日付けで東京労働局からなされており、4月の拙セミナーでご紹介させていただいたところでした(同局HPでのプレス発表記事はこちら)。
派遣元に問題がありそうな気がいたしますが、マスコミが総じて大きく報道するのが、やはり派遣先の大手企業名。本ブログにおいても、すでにご案内のとおりではありますが、改めて派遣先企業自身の内部監査が同種案件を防止するために有効と考える次第です。拙事務所は同内部監査の支援をスポット契約でご提供させていただいております。お気軽にお声がけ頂ければ幸いです
なお拙関連ブログは以下のとおりです。
2010年2月10日 「専門26業務派遣適正化プラン」に基づく監督指導強化への対応(こちら)
2010年3月11日 「専門26業務派遣適正化プラン」に基づく行政指導例について(こちら)
2010年4月15日 「専門26業務適正化プラン」講演について(こちら)
2010年5月28日 「専門26業務に関する疑義応答集」の発出(こちら)
ところで改正派遣法案の行方はどうなるのでしょうか。新国対委員長が「連立方程式」と称したようですが、支持率、選挙協力、選挙資金など複雑多岐な計算の中に「改正派遣法案」が絡まっている感があります。残された会期の少なさ(延長したとしても、最大2週間程度であればやはり厳しい)、強行採決による支持率への悪影響(+に転じる可能性はない?)などを考えれば、継続審議が順当なところと思われますが、政界の名言「一寸先は闇」。改正派遣法案の動向も、もう少し見守る要があると感じております。
2010年6月2日水曜日
内閣総辞職の報?と改正派遣法案
今朝、午前9時から衆院厚生労働委員会で派遣法案の審議がなされる予定でしたが、一向に開催される様子なし。どうなっているのかなと思っていましたら、Yahoo newsで「鳩山首相が辞意 閣僚明かす」との報(こちら)。
6月2日9時37分配信 産経新聞
鳩山由紀夫政権の閣僚の1人が「鳩山首相が辞めると聞いている」と語った。民主党議員が2日朝、明らかにした。
民主党は午前10時から両院議員総会を開き、首相から進退も含めた今後の党運営について話を聞くことにしている。
山岡賢次国対委員長は国会内で記者団に「場合によって総会後、役員会、常任幹事会を開く。午前の委員会はすべて止めた」と説明した。午前に予定されていた参院本会議、午後の衆院本会議の審議もすべて中止される見通し。
大政局の中、右往左往している「改正派遣法案」ですが、上記報道のとおりとすれば内閣総辞職・新内閣組閣がその後、待っています。新内閣のもとでこの派遣法案がどのように取り扱われるかは、会期末(6月16日)までの日程、社民党との関係そして世論調査次第ではないかと思われます。いずれにしても肝心の派遣法案の内容については、あまり先生方はご関心がないような気が・・・。
6月2日9時37分配信 産経新聞
鳩山由紀夫政権の閣僚の1人が「鳩山首相が辞めると聞いている」と語った。民主党議員が2日朝、明らかにした。
民主党は午前10時から両院議員総会を開き、首相から進退も含めた今後の党運営について話を聞くことにしている。
山岡賢次国対委員長は国会内で記者団に「場合によって総会後、役員会、常任幹事会を開く。午前の委員会はすべて止めた」と説明した。午前に予定されていた参院本会議、午後の衆院本会議の審議もすべて中止される見通し。
大政局の中、右往左往している「改正派遣法案」ですが、上記報道のとおりとすれば内閣総辞職・新内閣組閣がその後、待っています。新内閣のもとでこの派遣法案がどのように取り扱われるかは、会期末(6月16日)までの日程、社民党との関係そして世論調査次第ではないかと思われます。いずれにしても肝心の派遣法案の内容については、あまり先生方はご関心がないような気が・・・。
2010年5月28日金曜日
「専門26業務に関する疑義応答集」の発出
本日付(5月28日)で、厚労省HPに「専門26業務に関する疑義応答集」が掲載されました(こちら)。
ざっくりと眺めた限りにおいて、非常に重要と思われる記述として以下のものがあります(事務用機器操作関係)。
⑦Q:物の製造、製品の梱包等の業務をコンピュータ制御により行っているが、当該コン
ピュータの操作の業務は第5 号業務に該当するか。
A:製造工程の機械や梱包のための機械の操作の業務は、コンピュータを活用した場合
であっても、事務用機器操作に当たらず、第5 号業務には該当しない。
⑧Q:事務用機器操作の業務のほかに、会議室での会議の準備や後片付け、備品の発注、
銀行での振込等の業務も行うようないわゆる一般事務は、第5 号業務に該当するか。
A:いわゆる一般事務については第5 号業務に該当しない。
⑨Q:スキャナーを利用した読取業務は第5 号業務に該当するか。
A:専らスキャナーを利用して読取るだけの業務については、迅速かつ的確な操作に習熟を必要としないので、第5 号業務には該当しない。
⑩Q:メール送受信業務は第5 号業務に該当するか。
A:文字や数値の入力、ファイルの添付によりメール作成・送信する業務や、受信したメールの振り分け、転送等の業務は第5 号業務には該当しない。一方、データベース用のソフトを活用しての一斉送信等、ソフトウエア操作に関する専門的技術を活用して行うメール送受信業務については、第5 号業務に該当する。
⑪Q:文書作成ソフトにより、文字の入力、編集、加工、レイアウトを行うのみならず、文書とすべき内容を企画検討し、文書作成する場合は、第5 号業務に該当するか。
A:文書とすべき内容を企画検討し、文書を作成する業務は、企画業務であり、もはや事務用機器操作の業務とはいえないことから、第5 号業務には該当しない。
⑫Q:街頭の意識調査の一連の作業として、①意識調査の内容について企画・検討を行う業務、②街頭での意識調査を実施する業務も併せて行った場合、第5 号業務に該当するか。
A:質問の①のような企画・検討する業務や②のような調査の業務は、事務用機器の操作の過程で一体的に行われる準備及び整理の業務でないことから、事務用機器の操作の業務に併せてこれらの業務を行う場合は、第5 号業務には該当しない。
⑬Q: 事務用機器を操作し作成した書類を梱包し発送する業務は第5号業務に該当するか。
A:書類の梱包又は発送の業務は、一般的には、事務用機器の操作の過程において一体的に行われる準備及び整理の業務ではなく、事務用機器の操作の業務に伴って付随的に行う業務とも判断できないので、これらの業務を併せて行わせる場合は第5 号業務には該当しない。
特に⑬をみると厳しすぎる印象を受けます。専門26業務の「付随的業務」に該当しない「全く無関係の業務」に係る厚労省判断ですが、そもそも上記の解釈を「疑義応答集」なるもので小出しに示していくのは如何なものか。本来は法・政省令、更には正式な通達で示すべきではないかと考えます。
現在、某誌に掲載すべく「専門26業務派遣適正化プランの解説」を執筆中なのですが、いずれにしても頭の痛いものが締め切り前に出てきました(泣)。
ざっくりと眺めた限りにおいて、非常に重要と思われる記述として以下のものがあります(事務用機器操作関係)。
⑦Q:物の製造、製品の梱包等の業務をコンピュータ制御により行っているが、当該コン
ピュータの操作の業務は第5 号業務に該当するか。
A:製造工程の機械や梱包のための機械の操作の業務は、コンピュータを活用した場合
であっても、事務用機器操作に当たらず、第5 号業務には該当しない。
⑧Q:事務用機器操作の業務のほかに、会議室での会議の準備や後片付け、備品の発注、
銀行での振込等の業務も行うようないわゆる一般事務は、第5 号業務に該当するか。
A:いわゆる一般事務については第5 号業務に該当しない。
⑨Q:スキャナーを利用した読取業務は第5 号業務に該当するか。
A:専らスキャナーを利用して読取るだけの業務については、迅速かつ的確な操作に習熟を必要としないので、第5 号業務には該当しない。
⑩Q:メール送受信業務は第5 号業務に該当するか。
A:文字や数値の入力、ファイルの添付によりメール作成・送信する業務や、受信したメールの振り分け、転送等の業務は第5 号業務には該当しない。一方、データベース用のソフトを活用しての一斉送信等、ソフトウエア操作に関する専門的技術を活用して行うメール送受信業務については、第5 号業務に該当する。
⑪Q:文書作成ソフトにより、文字の入力、編集、加工、レイアウトを行うのみならず、文書とすべき内容を企画検討し、文書作成する場合は、第5 号業務に該当するか。
A:文書とすべき内容を企画検討し、文書を作成する業務は、企画業務であり、もはや事務用機器操作の業務とはいえないことから、第5 号業務には該当しない。
⑫Q:街頭の意識調査の一連の作業として、①意識調査の内容について企画・検討を行う業務、②街頭での意識調査を実施する業務も併せて行った場合、第5 号業務に該当するか。
A:質問の①のような企画・検討する業務や②のような調査の業務は、事務用機器の操作の過程で一体的に行われる準備及び整理の業務でないことから、事務用機器の操作の業務に併せてこれらの業務を行う場合は、第5 号業務には該当しない。
⑬Q: 事務用機器を操作し作成した書類を梱包し発送する業務は第5号業務に該当するか。
A:書類の梱包又は発送の業務は、一般的には、事務用機器の操作の過程において一体的に行われる準備及び整理の業務ではなく、事務用機器の操作の業務に伴って付随的に行う業務とも判断できないので、これらの業務を併せて行わせる場合は第5 号業務には該当しない。
特に⑬をみると厳しすぎる印象を受けます。専門26業務の「付随的業務」に該当しない「全く無関係の業務」に係る厚労省判断ですが、そもそも上記の解釈を「疑義応答集」なるもので小出しに示していくのは如何なものか。本来は法・政省令、更には正式な通達で示すべきではないかと考えます。
現在、某誌に掲載すべく「専門26業務派遣適正化プランの解説」を執筆中なのですが、いずれにしても頭の痛いものが締め切り前に出てきました(泣)。
2010年5月24日月曜日
今国会で派遣法案は成立するのか?(平成22年5月24日現在の個人的観測)
本ブログにおいても、たびたび取り上げている改正派遣法案ですが、その法案審議が一向に聞こえてきません。衆議院のHPを見て、ようやく状況が見えてきました。
まず4月23日の衆議院厚生労働委員会において、自民党・改革クラブ等が欠席の中、改正派遣法案提案理由の説明(長妻大臣等)および社民党・民主党との質疑がなされています。
その後ですが、5月12日の流会以後、同委員会では派遣法案の審議はなされておらず、児童扶養手当法案、厚生系の独立法人改革法案の審議が先に進められています(5月21日まで)。今週も恐らく水・金に厚生労働委員会が開催されると思われますが、独法改正案の審議終結・採決が行われた後、また「改正派遣法案」の審議入りに入るか否かが、大きな焦点となりそうです。
衆院HPに5月14日の厚生労働委員会議事録が掲載されております。同日は主に児童扶養手当法案が審議されていましたが、その際、大村衆院議員(自民党 前厚生労働省副大臣)と長妻大臣の間で、次のようなやりとりがされており、4月末以降の経緯が「何となく」伺えるものです(衆院HP 厚生労働委員会議事録はこちら)。
○大村委員 次に参ります。
労働者派遣法の取り扱いについてでございます。これは一言だけ申し上げたいと思います。
労働者派遣法の法案に入っていたかと思いましたら、今回はこの児童扶養手当の法律に入るということであります。与党側の要請でありますから、予算関連ということもあって我々は受け入れました。ということは、労働者派遣法については、この改正はあきらめたということでよろしいですか、長妻大臣。
○長妻国務大臣 これは、内閣として閣議決定をして国会に出させていただいておりますので、もう速やかに成立をしてくださいということをお願いしているところでございます。
○大村委員 どうやってやるんですか。では、この児童扶養手当をやめて派遣法にしましょうか。それでもよろしいんですか。お答えください。
○長妻国務大臣 基本的に、国会でその段取りというのは話し合っていただくことだと思いますけれども、私としては、これは内閣として閣議決定をして提出した法案でございますので、当然成立をお願いするという立場でございます。
○大村委員 いや、議院内閣制ですから、政府・与党一体で調整をしながらやっているというふうに承知をいたしております。そういう中で、与党側から、本来の派遣法を、重要広範議案である派遣法をやっているところをやめて、この児童扶養手当をやってくれということですから、それはそれで了解をしたわけでありますけれども、そういうことをやって、次はまた独法の法律をやるということで与党側から要請をいただいております。
そういうことになってきますと、この派遣法についてやるということには、率直に言って、もう残りの会期を含めてはなかなか難しいと言わざるを得ないというふうに思います。ですから、この派遣法について、もうこの国会ではあきらめた、これはもういいんだということでよろしいかということを聞いているのでありますので、答弁をいただきたい。(発言する者あり)
○藤村委員長 静粛に願います。静粛に願います。
○長妻国務大臣 これは繰り返しでございますけれども、内閣として閣議決定をして、国会に審議をお願いしている法律でございますので、成立をお願いするという立場でございます。
○大村委員 では、この後、理事会で協議しましょうか。やめましょうか、これを。派遣法に戻しましょうか。やめましょう、それだったら。後ほど理事会協議しましょう。そういう不誠実な、あなた方からこの児童扶養手当そして独法をやってくれということを言ってきたから、本来イレギュラーだけれども、これを受け入れて、この児童扶養手当、そしてこの後独法ということを、日程協議もしながらやってきたわけです。そういう意味で、民主党を初め、この国会のルールというのを全く理解していない。その点については極めて問題だということを申し上げておきたいというふうに思います。
この派遣法についてはもう事実上難しいということを正直に認めて、この後、では、この派遣法について、いろいろな課題、問題点がある。関係の皆さんは非常に不安になっている。実際、派遣で働いている人たちの雇用ももう維持できないんじゃないか、そういうふうな不安もある。中小企業の人材の確保もできないんじゃないか、そういういろいろな問題点があって、私は、事務方にもいろいろな資料も、データも含めてこれは要求しておりますけれども、そういったシミュレーション、それからそういった対策も全然出てこない。したがって、この派遣法については引き続き、さらにさらに、もっともっと問題を深掘りにして議論していこうということを申し上げているのでありますけれども、なかなかそのデータが出てこない。
そういう中で、この法案を、こちらを先にやってくれということでありますから、私は、これはちょうどいい時間ができた、十分これから、まだ秋は通常国会があるかどうかわかりませんけれども、そのままいけば、また来年の通常国会ということになろうかと思いますが、それに向けて十分これは問題点を議論し、深掘りをしていきたい、そのことを申し上げておきたいと思います。
なかなか盛り上がっています。これは実況中継を見たかったですね(笑)。それはともかく自民党側は同法案に対する強い疑念を示しており、慎重な審議を求めるスタンスを取っていることが明らかです。これに対し、民主党がどこまで同法案成立に熱意を持っているか(つまりは強行採決するか否か)。通常国会の会期延長がない限り、それは今週末に明らかとなりそうです。色々と現与党連立政権内における「政治的」に難しい問題も絡み、どうなることか予断を許しません。
個人的には大村先生のご議論とりわけ「この派遣法については引き続き、さらにさらに、もっともっと問題を深掘りにして議論していこうということを申し上げている」とのご主張はもっともではないかと思うところではあります。
まず4月23日の衆議院厚生労働委員会において、自民党・改革クラブ等が欠席の中、改正派遣法案提案理由の説明(長妻大臣等)および社民党・民主党との質疑がなされています。
その後ですが、5月12日の流会以後、同委員会では派遣法案の審議はなされておらず、児童扶養手当法案、厚生系の独立法人改革法案の審議が先に進められています(5月21日まで)。今週も恐らく水・金に厚生労働委員会が開催されると思われますが、独法改正案の審議終結・採決が行われた後、また「改正派遣法案」の審議入りに入るか否かが、大きな焦点となりそうです。
衆院HPに5月14日の厚生労働委員会議事録が掲載されております。同日は主に児童扶養手当法案が審議されていましたが、その際、大村衆院議員(自民党 前厚生労働省副大臣)と長妻大臣の間で、次のようなやりとりがされており、4月末以降の経緯が「何となく」伺えるものです(衆院HP 厚生労働委員会議事録はこちら)。
○大村委員 次に参ります。
労働者派遣法の取り扱いについてでございます。これは一言だけ申し上げたいと思います。
労働者派遣法の法案に入っていたかと思いましたら、今回はこの児童扶養手当の法律に入るということであります。与党側の要請でありますから、予算関連ということもあって我々は受け入れました。ということは、労働者派遣法については、この改正はあきらめたということでよろしいですか、長妻大臣。
○長妻国務大臣 これは、内閣として閣議決定をして国会に出させていただいておりますので、もう速やかに成立をしてくださいということをお願いしているところでございます。
○大村委員 どうやってやるんですか。では、この児童扶養手当をやめて派遣法にしましょうか。それでもよろしいんですか。お答えください。
○長妻国務大臣 基本的に、国会でその段取りというのは話し合っていただくことだと思いますけれども、私としては、これは内閣として閣議決定をして提出した法案でございますので、当然成立をお願いするという立場でございます。
○大村委員 いや、議院内閣制ですから、政府・与党一体で調整をしながらやっているというふうに承知をいたしております。そういう中で、与党側から、本来の派遣法を、重要広範議案である派遣法をやっているところをやめて、この児童扶養手当をやってくれということですから、それはそれで了解をしたわけでありますけれども、そういうことをやって、次はまた独法の法律をやるということで与党側から要請をいただいております。
そういうことになってきますと、この派遣法についてやるということには、率直に言って、もう残りの会期を含めてはなかなか難しいと言わざるを得ないというふうに思います。ですから、この派遣法について、もうこの国会ではあきらめた、これはもういいんだということでよろしいかということを聞いているのでありますので、答弁をいただきたい。(発言する者あり)
○藤村委員長 静粛に願います。静粛に願います。
○長妻国務大臣 これは繰り返しでございますけれども、内閣として閣議決定をして、国会に審議をお願いしている法律でございますので、成立をお願いするという立場でございます。
○大村委員 では、この後、理事会で協議しましょうか。やめましょうか、これを。派遣法に戻しましょうか。やめましょう、それだったら。後ほど理事会協議しましょう。そういう不誠実な、あなた方からこの児童扶養手当そして独法をやってくれということを言ってきたから、本来イレギュラーだけれども、これを受け入れて、この児童扶養手当、そしてこの後独法ということを、日程協議もしながらやってきたわけです。そういう意味で、民主党を初め、この国会のルールというのを全く理解していない。その点については極めて問題だということを申し上げておきたいというふうに思います。
この派遣法についてはもう事実上難しいということを正直に認めて、この後、では、この派遣法について、いろいろな課題、問題点がある。関係の皆さんは非常に不安になっている。実際、派遣で働いている人たちの雇用ももう維持できないんじゃないか、そういうふうな不安もある。中小企業の人材の確保もできないんじゃないか、そういういろいろな問題点があって、私は、事務方にもいろいろな資料も、データも含めてこれは要求しておりますけれども、そういったシミュレーション、それからそういった対策も全然出てこない。したがって、この派遣法については引き続き、さらにさらに、もっともっと問題を深掘りにして議論していこうということを申し上げているのでありますけれども、なかなかそのデータが出てこない。
そういう中で、この法案を、こちらを先にやってくれということでありますから、私は、これはちょうどいい時間ができた、十分これから、まだ秋は通常国会があるかどうかわかりませんけれども、そのままいけば、また来年の通常国会ということになろうかと思いますが、それに向けて十分これは問題点を議論し、深掘りをしていきたい、そのことを申し上げておきたいと思います。
なかなか盛り上がっています。これは実況中継を見たかったですね(笑)。それはともかく自民党側は同法案に対する強い疑念を示しており、慎重な審議を求めるスタンスを取っていることが明らかです。これに対し、民主党がどこまで同法案成立に熱意を持っているか(つまりは強行採決するか否か)。通常国会の会期延長がない限り、それは今週末に明らかとなりそうです。色々と現与党連立政権内における「政治的」に難しい問題も絡み、どうなることか予断を許しません。
個人的には大村先生のご議論とりわけ「この派遣法については引き続き、さらにさらに、もっともっと問題を深掘りにして議論していこうということを申し上げている」とのご主張はもっともではないかと思うところではあります。
2010年4月30日金曜日
「アモーレと労働法」松下PDP最高裁判決評釈に対する雑感
労働法関係で愛読しているブログの一つに神戸大の大内伸哉先生のブログ「アモーレと労働法」があります。 労働法関係はもちろん映画評、読書評を大変、楽しみに拝読しているのですが、本日のブログ(こちら)では、大内先生が松下PDP最高裁判決の評釈をジュリストに掲載する準備を進めておられることが綴られております。その同ブログの最後ですが、次のような謎が出されました。
「ところで,3月の東大の研究会で,この事件を報告したとき,私が見たところでは,どの解説でも指摘されていなかった論点がありました。判決が会社に損害賠償責任を認めた理由として,原告が労働局に偽装請負の申告をしたことに対する報復目的があるのですが,それなら,雇止めはそもそも無効となるのではないか,という点です。立教大学の竹内(奥野)寿君(括弧内は結婚前の旧姓です。クリス・エバート・ロイドみたいですね)が指摘してくれました。私は無効とならないと考えていますが,では,私はどういう理由をあげたでしょうか。その答えは,ジュリストの掲載号(何号か知りません)を御覧下さい。」
この謎については、拙ブログにおきましても、以前に次のような回答を仮案として出したことがあります(こちら)。大内先生のジュリスト評釈による「謎解き」が今から楽しみであります。
「ところで,3月の東大の研究会で,この事件を報告したとき,私が見たところでは,どの解説でも指摘されていなかった論点がありました。判決が会社に損害賠償責任を認めた理由として,原告が労働局に偽装請負の申告をしたことに対する報復目的があるのですが,それなら,雇止めはそもそも無効となるのではないか,という点です。立教大学の竹内(奥野)寿君(括弧内は結婚前の旧姓です。クリス・エバート・ロイドみたいですね)が指摘してくれました。私は無効とならないと考えていますが,では,私はどういう理由をあげたでしょうか。その答えは,ジュリストの掲載号(何号か知りません)を御覧下さい。」
この謎については、拙ブログにおきましても、以前に次のような回答を仮案として出したことがあります(こちら)。大内先生のジュリスト評釈による「謎解き」が今から楽しみであります。
2010年4月16日金曜日
改正労働者派遣法案の審議入り
いよいよ本日(4月16日)、午後からの衆院本会議において、改正労働者派遣法案が審議入りするようです(日経ニュース)。
本通常国会の会期は6月中旬までありますので、かなり余裕を持った審議入りといえるのではないでしょうか。このまま順調に審議が進めば、同改正派遣法案は5月~6月中には成立・公布される可能性があります。
その場合、登録型派遣、製造業派遣の禁止はさておき(公布から3年以内が施行予定)、その他の重要改正点である「みなし雇用制」などは、平成22年中に施行されることになります(公布から6ヶ月以内が施行予定)。
先日の講演でも申し上げましたように、専門26業務適正化プランと「みなし雇用制」は密接な関わりがあります。同問題については、早め早めの情報収集と対応準備が不可避と考えます。私自身も前倒しで研究を進める要を感じております。
本通常国会の会期は6月中旬までありますので、かなり余裕を持った審議入りといえるのではないでしょうか。このまま順調に審議が進めば、同改正派遣法案は5月~6月中には成立・公布される可能性があります。
その場合、登録型派遣、製造業派遣の禁止はさておき(公布から3年以内が施行予定)、その他の重要改正点である「みなし雇用制」などは、平成22年中に施行されることになります(公布から6ヶ月以内が施行予定)。
先日の講演でも申し上げましたように、専門26業務適正化プランと「みなし雇用制」は密接な関わりがあります。同問題については、早め早めの情報収集と対応準備が不可避と考えます。私自身も前倒しで研究を進める要を感じております。
2010年4月15日木曜日
「専門26業務適正化プラン」講演について
昨日、「専門26業務適正化プランと改正派遣法の動向」というタイトルで講演させていただきました(こちら)。100名以上のお申し込みを頂いていたようで、大変盛況でした。講演にお越しいただきました企業・労組等のご担当者様に感謝申し上げます。
昨日の講演では、まず新たに示された事務用機器操作・ファイリングの定義とこれに伴い重要である「付随業務、付随的業務」について解説いたしました。その上で、「付随的業務」が伴う場合のルールとこのルール遵守のために厚労省側が勧奨している実務対応手法、さらには同プラン以降の監督指導事例(プレス発表分)、さいごに改正派遣法案との関係性についてお話をさせて頂いた次第です。
講演させていただき、改めて感じましたのが、厚労省が定める専門26業務の定義(とりわけ事務用機器操作、ファイリング業務)と実際の派遣受け入れ現場との間の大きなギャップです。以前からその問題は指摘されていましたが、厚労省側の定義自体(業務取扱要領)が曖昧かつ時代遅れ(事務用機器の例として、タイプライター・テレックスなどが挙げられている!)であったため放置されていた感がありましたが、これが同プランによって、深い眠りから覚めてしまったものです。
同プランは集中監督指導実施を本年3月~4月としますが、厚労省はその後も継続して監督指導に取り組むとしており、派遣元はもちろんユーザー企業も同問題を看過することはできません。同問題対応のための情報収集、検討と対応を早めに取り組まれることをお勧めするものです。
同問題につきましても、助言・指導、模擬監査等のサービス(スポット契約可)をご提供させていただいておりますので、お気軽にお問い合わせください(こちら)。
昨日の講演では、まず新たに示された事務用機器操作・ファイリングの定義とこれに伴い重要である「付随業務、付随的業務」について解説いたしました。その上で、「付随的業務」が伴う場合のルールとこのルール遵守のために厚労省側が勧奨している実務対応手法、さらには同プラン以降の監督指導事例(プレス発表分)、さいごに改正派遣法案との関係性についてお話をさせて頂いた次第です。
講演させていただき、改めて感じましたのが、厚労省が定める専門26業務の定義(とりわけ事務用機器操作、ファイリング業務)と実際の派遣受け入れ現場との間の大きなギャップです。以前からその問題は指摘されていましたが、厚労省側の定義自体(業務取扱要領)が曖昧かつ時代遅れ(事務用機器の例として、タイプライター・テレックスなどが挙げられている!)であったため放置されていた感がありましたが、これが同プランによって、深い眠りから覚めてしまったものです。
同プランは集中監督指導実施を本年3月~4月としますが、厚労省はその後も継続して監督指導に取り組むとしており、派遣元はもちろんユーザー企業も同問題を看過することはできません。同問題対応のための情報収集、検討と対応を早めに取り組まれることをお勧めするものです。
同問題につきましても、助言・指導、模擬監査等のサービス(スポット契約可)をご提供させていただいておりますので、お気軽にお問い合わせください(こちら)。
2010年3月11日木曜日
「専門26業務派遣適正化プラン」に基づく行政指導例について
先日、拙ブログにおいて「「専門26業務派遣適正化プラン」に基づく監督指導への対応」を取り上げました(こちら)が、早速、労働局が専門26業務派遣に対する指導監督を行った例がプレス発表されています。
東京労働局HP「労働者派遣事業改善命令について」(こちら)。
朝日新聞においても同指導例が報道されていました(こちら asahi.com 2010.03.01)。同報にある「事務用機器操作」で派遣しながら「来客受付」「記念品配布」など全く異なる一般業務を行わせていたケースは従来からも指導されており、ユーザー企業から見ても認められない派遣受け入れであることは明らかです。
これについては派遣先企業としても、派遣契約内容を確認した上で、専門26業務派遣で派遣されているか否か、派遣されている場合に実際の受け入れ業務が上記ケースのように全く異なるものではないか、早急に確認すべきものと思われます。
東京局プレス発表を見ていて、気がかりであるのは、スタッフサービスに対する指導事例の中の5です(こちら)。
同指導事案は事務用機器操作での派遣は間違いないものの、班長業務、発送業務などの付随的業務を行わせたにもかかわらず、その就業時間管理を行わなかった点について指導を行っているものです。
専門26業務派遣においても、付随的業務に従事してもらうことは派遣先において広く行われていますが、この就業時間管理をどこまで行っているかについては、心許ないユーザー企業も多いように思われます。この点について、踏み込んだ指導を行い、かつこれをプレス発表している点は実務的に大変、気になるところです。
今後の行政動向を派遣元はもちろん、派遣先も注視すべきでしょう。
東京労働局HP「労働者派遣事業改善命令について」(こちら)。
朝日新聞においても同指導例が報道されていました(こちら asahi.com 2010.03.01)。同報にある「事務用機器操作」で派遣しながら「来客受付」「記念品配布」など全く異なる一般業務を行わせていたケースは従来からも指導されており、ユーザー企業から見ても認められない派遣受け入れであることは明らかです。
これについては派遣先企業としても、派遣契約内容を確認した上で、専門26業務派遣で派遣されているか否か、派遣されている場合に実際の受け入れ業務が上記ケースのように全く異なるものではないか、早急に確認すべきものと思われます。
東京局プレス発表を見ていて、気がかりであるのは、スタッフサービスに対する指導事例の中の5です(こちら)。
同指導事案は事務用機器操作での派遣は間違いないものの、班長業務、発送業務などの付随的業務を行わせたにもかかわらず、その就業時間管理を行わなかった点について指導を行っているものです。
専門26業務派遣においても、付随的業務に従事してもらうことは派遣先において広く行われていますが、この就業時間管理をどこまで行っているかについては、心許ないユーザー企業も多いように思われます。この点について、踏み込んだ指導を行い、かつこれをプレス発表している点は実務的に大変、気になるところです。
今後の行政動向を派遣元はもちろん、派遣先も注視すべきでしょう。
2010年2月17日水曜日
派遣法改正案ー社民党等の修正案に応じずー
平成22年度通常国会に派遣法改正案が提出される予定ですが、同案について社民党等が一部修正を求めていました。昨日ようやく原案通りで法案要綱を策定する方向で決したようです(こちら)。
「常用雇用」の定義と施行期日が問題となっておりましたが、改正法要綱案は原案通りで取りまとめられることになります。
長妻大臣が報道陣に「原案がそのままでも運用上でいろいろ検討を加えるかなどの議論がある」とコメントしたようですが、上記2点は法文を変更しない中で、「運用」で対応するような性質の事項とは思えません。大臣の真意がどこにあるのか(とりあえず仰られただけ?)、つかみかねる気はいたします。いずれにしましても、今後の法案要綱、閣議決定を経た後の国会論戦を待ちたいと思います。
ところで同法案は閣議決定前に内閣法制局のリーガルチェックを受けるのでしょうか?。閣法提出であれば、当然受けるはずですが、この場合、みなし雇用制度案等について何らかの指摘がなされる可能性がないか。個人的には与党内修正よりも、そちらが気になります。
「常用雇用」の定義と施行期日が問題となっておりましたが、改正法要綱案は原案通りで取りまとめられることになります。
長妻大臣が報道陣に「原案がそのままでも運用上でいろいろ検討を加えるかなどの議論がある」とコメントしたようですが、上記2点は法文を変更しない中で、「運用」で対応するような性質の事項とは思えません。大臣の真意がどこにあるのか(とりあえず仰られただけ?)、つかみかねる気はいたします。いずれにしましても、今後の法案要綱、閣議決定を経た後の国会論戦を待ちたいと思います。
ところで同法案は閣議決定前に内閣法制局のリーガルチェックを受けるのでしょうか?。閣法提出であれば、当然受けるはずですが、この場合、みなし雇用制度案等について何らかの指摘がなされる可能性がないか。個人的には与党内修正よりも、そちらが気になります。
2010年2月10日水曜日
「専門26業務派遣適正化プラン」に基づく監督指導強化への対応
昨日(2月9日)の日経新聞に「厚労省、違法派遣の防止を要請へ 関係団体に」が掲載されていました(こちら)。
大手企業を見渡してみますと、事務系職場に少なからず派遣社員が働いておられますが、その多くが「事務用機器操作」あるいは「ファイリング」の専門26業務で派遣されています。同26業務に該当する限り、派遣期間制限(原則1年、労使協定で3年)を受けないものですが、事務系派遣社員の就労実態を見ますと、本当に「事務用機器操作」「ファイリング」業務であるのか、首をかしげるケースも少なからずあったように思われます。
ここ数年、労働局需給調整事業部は同専門業務と称する事務系派遣についても、「実態」を調査の上、指導を行うケースが増えてきていましたが、まだまだ派遣元・先ともに危機感が希薄であった感があります。
そのような現場をもはや放置できない可能性が出てきました。これが上記記事で紹介されております新通達の発出です。昨日の厚労省HPにも、同通達がUPされています(こちら)。
同記事を見ますと、主に派遣元に対する指導強化と受け取れるところですが、上記HPの別紙4にある平成22年2月8日付け職発0208第1号「専門26業務派遣適正化プランの実施について」を見ますと、以下の記述が見られます。
「専門26業務での労働者派遣の実績の多い派遣元事業主を対象に、集中的に、・・特に事務関連業務での派遣について・・・専門26業務と称した違法派遣の是正に向けて厳正な指導監督を行うこと」。
「この場合、必ず当該派遣元事業主から当該専門26業務での労働者派遣の役務の提供を受けている派遣先についても併せて指導監督を行い、法違反があった場合には是正指導を行うこと」。
ユーザー企業側も同通達に基づく監督指導については、全く他人事ではありません。同HPの別紙1別添に掲載されている「一般事務と混同されやすい事務用機器操作とファイリングについての留意事項」を基に事務系派遣社員の業務内容とその実態を再点検しておく要があるものです。
同通達によれば、労働局需給調整事業部は平成22年3月~4月に2ヶ月間に集中的な指導監督を実施するとしています。本当に急な話ではありますが、今月から来月に向けて、人事労務担当部門の緊急課題となります。私もすでに何件か、派遣・請負に係る監査のご依頼を大手企業より頂いておりましたが、その重要性が更に増した感があります。その後の対応も含めて、知恵を絞っていかなければなりません。
大手企業を見渡してみますと、事務系職場に少なからず派遣社員が働いておられますが、その多くが「事務用機器操作」あるいは「ファイリング」の専門26業務で派遣されています。同26業務に該当する限り、派遣期間制限(原則1年、労使協定で3年)を受けないものですが、事務系派遣社員の就労実態を見ますと、本当に「事務用機器操作」「ファイリング」業務であるのか、首をかしげるケースも少なからずあったように思われます。
ここ数年、労働局需給調整事業部は同専門業務と称する事務系派遣についても、「実態」を調査の上、指導を行うケースが増えてきていましたが、まだまだ派遣元・先ともに危機感が希薄であった感があります。
そのような現場をもはや放置できない可能性が出てきました。これが上記記事で紹介されております新通達の発出です。昨日の厚労省HPにも、同通達がUPされています(こちら)。
同記事を見ますと、主に派遣元に対する指導強化と受け取れるところですが、上記HPの別紙4にある平成22年2月8日付け職発0208第1号「専門26業務派遣適正化プランの実施について」を見ますと、以下の記述が見られます。
「専門26業務での労働者派遣の実績の多い派遣元事業主を対象に、集中的に、・・特に事務関連業務での派遣について・・・専門26業務と称した違法派遣の是正に向けて厳正な指導監督を行うこと」。
「この場合、必ず当該派遣元事業主から当該専門26業務での労働者派遣の役務の提供を受けている派遣先についても併せて指導監督を行い、法違反があった場合には是正指導を行うこと」。
ユーザー企業側も同通達に基づく監督指導については、全く他人事ではありません。同HPの別紙1別添に掲載されている「一般事務と混同されやすい事務用機器操作とファイリングについての留意事項」を基に事務系派遣社員の業務内容とその実態を再点検しておく要があるものです。
同通達によれば、労働局需給調整事業部は平成22年3月~4月に2ヶ月間に集中的な指導監督を実施するとしています。本当に急な話ではありますが、今月から来月に向けて、人事労務担当部門の緊急課題となります。私もすでに何件か、派遣・請負に係る監査のご依頼を大手企業より頂いておりましたが、その重要性が更に増した感があります。その後の対応も含めて、知恵を絞っていかなければなりません。
2010年1月28日木曜日
平成22年通常国会提出法案の動向2(派遣法)
先日、改正雇用保険法案が通常国会に提出されました(閣法)。法律案要綱などはこちらにUPされています。
厚労省内に新たに設置された政策会議資料において、本通常国会に提出する法案が一覧で示されていますが、これを見ると、改正雇用保険法のほか、改正派遣法案、改正確定拠出年金法案などの提出を予定しているようです(こちら)。
派遣法については、前回ご紹介のとおり、昨年末に審議会報告書(こちら)が示され、現在、同答申を基に厚労省が法案要綱案策定の準備に着手しているところです(同報告書についての解説はこちら)。
登録型派遣および製造業務派遣の原則禁止が実務的に大変注目されている訳ですが、同改正法案には更に実務的に大きな影響を与える可能性がある改正案が含まれています。
それは「違法派遣の場合における直接雇用の促進」です。同報告書では、以下のような記述が見られます。
「違法派遣の場合、・・派遣先が、以下の違法派遣について違法であることを知りながら派遣労働者を受け入れている場合には、違法な状態が発生した時点において、派遣先が派遣労働者に対して、当該派遣労働者の派遣元における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約を申し込んだものとみなす旨の規定を設けることが適当」とした上で、次の事項をみなし雇用の対象とします。
④いわゆる偽装請負(労働者派遣法の義務を免れることを目的として、労働者派遣契約を締結せずに派遣労働者を受け入れること)の場合
この④がみなし雇用に含まれる結果、改正派遣法案は派遣のみならず、いわば「グレーゾーンの請負・委任契約」に対する規制を強化する方向で舵を切ることになります。
確かに請負・委任活用が、派遣形態のものときちんと区別しておけば、同改正法案は請負・委任に対する規制強化につながる訳ではないのですが、実態を見ると、今なお派遣請負区分基準に照らし、現場で悩むケースが多いように思われます。
本報告書を注意深く読むと、派遣先の「違法性の認識」をみなし雇用の前提としているため、偽装請負即「みなし雇用」にはならないと思われますが、この「違法であることを知りながら」の判断基準によっては、限りなくそれに近い運用がなされる可能性もあります(緩やかな解釈)。今後の国会審議等、さらには法案が制定された場合の施行通達等を注視する要があるものです。
厚労省内に新たに設置された政策会議資料において、本通常国会に提出する法案が一覧で示されていますが、これを見ると、改正雇用保険法のほか、改正派遣法案、改正確定拠出年金法案などの提出を予定しているようです(こちら)。
派遣法については、前回ご紹介のとおり、昨年末に審議会報告書(こちら)が示され、現在、同答申を基に厚労省が法案要綱案策定の準備に着手しているところです(同報告書についての解説はこちら)。
登録型派遣および製造業務派遣の原則禁止が実務的に大変注目されている訳ですが、同改正法案には更に実務的に大きな影響を与える可能性がある改正案が含まれています。
それは「違法派遣の場合における直接雇用の促進」です。同報告書では、以下のような記述が見られます。
「違法派遣の場合、・・派遣先が、以下の違法派遣について違法であることを知りながら派遣労働者を受け入れている場合には、違法な状態が発生した時点において、派遣先が派遣労働者に対して、当該派遣労働者の派遣元における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約を申し込んだものとみなす旨の規定を設けることが適当」とした上で、次の事項をみなし雇用の対象とします。
④いわゆる偽装請負(労働者派遣法の義務を免れることを目的として、労働者派遣契約を締結せずに派遣労働者を受け入れること)の場合
この④がみなし雇用に含まれる結果、改正派遣法案は派遣のみならず、いわば「グレーゾーンの請負・委任契約」に対する規制を強化する方向で舵を切ることになります。
確かに請負・委任活用が、派遣形態のものときちんと区別しておけば、同改正法案は請負・委任に対する規制強化につながる訳ではないのですが、実態を見ると、今なお派遣請負区分基準に照らし、現場で悩むケースが多いように思われます。
本報告書を注意深く読むと、派遣先の「違法性の認識」をみなし雇用の前提としているため、偽装請負即「みなし雇用」にはならないと思われますが、この「違法であることを知りながら」の判断基準によっては、限りなくそれに近い運用がなされる可能性もあります(緩やかな解釈)。今後の国会審議等、さらには法案が制定された場合の施行通達等を注視する要があるものです。
2009年12月28日月曜日
「今後の労働者派遣制度の在り方について」の答申について
本日(12月28日)、厚労省労働政策審議会は「今後の労働者派遣制度の在り方について」の答申を取りまとめました(こちら)。
拙ブログで紹介した12月18日付けの公益委員たたき台がほぼそのまま成案化されたものですが、登録型派遣禁止について、一部業務(今後、詳細を具体化)の施行猶予を2年延長(計5年)する点と使用者側委員の反対意見付記(登録型、製造派遣禁止ならびにみなし雇用に対する反対意見)が新たに追加されています。
いよいよ来年1月からの通常国会において、派遣法改正の審議が本格化することになります。現与党としては、参院選挙までの成立を目指すことになるため、是が非でも成立させると思われますが、雇用市場への影響と規制内容の明確性そして違憲への疑念の払拭はぜひとも、国会審議の場で切にお願いしたいものです。
拙ブログで紹介した12月18日付けの公益委員たたき台がほぼそのまま成案化されたものですが、登録型派遣禁止について、一部業務(今後、詳細を具体化)の施行猶予を2年延長(計5年)する点と使用者側委員の反対意見付記(登録型、製造派遣禁止ならびにみなし雇用に対する反対意見)が新たに追加されています。
いよいよ来年1月からの通常国会において、派遣法改正の審議が本格化することになります。現与党としては、参院選挙までの成立を目指すことになるため、是が非でも成立させると思われますが、雇用市場への影響と規制内容の明確性そして違憲への疑念の払拭はぜひとも、国会審議の場で切にお願いしたいものです。
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