2010年7月12日月曜日

みんなの党アジェンダにみる労働政策~派遣法案改正~

 昨日の選挙において、みんなの党が躍進しました。参議院の過半数を失った与党は今後、みんなの党を初めとした野党と連携を強めていくものと思われますが、同党の労働政策はどのようなものでしょうか。アジェンダをみると、以下の記述が見られます(こちら)。

2.格差を固定しない「頑張れば報われる」雇用・失業対策を実現する
原則として全ての労働者(非正規を含む)に雇用保険を適用。
同一労働同一待遇(賃金等)や正規・非正規社員間の流動性を確保。
雇用保険と生活保護の隙間を埋める新たなセーフティーネットを構築。雇用保険が切れた長期失業者、非正規労働者等を対象に職業訓練を実施。その間の生活支援手当の給付、医療保険の負担軽減策、住宅確保支援を実施。
民主党政権の「派遣禁止法案」は、かえって働き方の自由を損ない、雇用を奪うものであり反対。
景気や中小企業の経営状況を見極めながら、最低賃金を経済成長により段階的にアップ。残業割増率を先進国並みに引き上げ、サービス残業の取締りを強化(雇用拡大と子育て支援にも効果)。
ハローワークを原則民間開放。民間の職業紹介・訓練への助成を拡充。


 この中でとくに興味深いのが「民主党政権の派遣禁止法案」への明確な反対の姿勢です。改正派遣法案は次期国会において継続審議扱いとされていますが、みんなの党が明確に反対している状況では、現法案のまま可決成立する可能性は極めて低くなったと思われます。その一方、非正規労働者の格差問題是正に言及していますので、「派遣禁止」ではなく「派遣労働者の格差是正」には関心があるようです。

 同スタンスが今後の派遣法案改正に対して、どのような影響を与えるのか注目されます。

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