2009年3月21日土曜日

日本マクドナルド事件控訴審和解の報から思うこと

 先日、「名ばかり管理職」問題の端緒ともいえる日本マクドナルド事件が、控訴審において和解が成立した旨、報じられています(東京新聞)。労使双方ともに大変な事件であったと推察されるだけに、関係者にとって和解成立は本当に喜ばしいことと思います。

  しかしながら、同事件は労使利害関係者の手を離れ、社会的に大きな影響を与えた事案です。その見地から見ると、地裁判決に対する東京高裁判断が明らかとならなかった点は残念です。使用者側が和解に応じた点をみれば、東京高裁も地裁判決を維持する方向であったことが推察されるところではありますが、その理由付けが地裁判決と異なった可能性もあったのではないか個人的には考えております。

 いずれにしましても、同事件は収束しました。しかし、今なお同業他社あるいはその他業種含め、会社側が位置づける管理職と労基法上の管理監督者性の齟齬は多く残されたままです。当面、労基署が昨年発出した通達に基づく行政監督の形で、同問題が顕在化する可能性があり、企業実務担当者の着実な準備・検討が求められ続ける課題と思われます。

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