2009年3月17日火曜日

年次有給休暇の時間単位付与を考える(改正労基法)

 有休休暇の時間単位付与に関する労使協定締結の件でsosコラムに少しばかりコメントをいたしました。ご覧いただければ幸いです。

 ところでこの有休休暇の時間単位付与。仮に導入するとしても、細切れとなる有休休暇の時間単位申請をどのように管理するのか難問が残されています。紙台帳で管理しているのであれば、それぞれ記載をしていくことで足りるのでしょうが、多くの企業では年休もコンピュータで申請・承認・管理・賃金反映を一元的に行っているのではないでしょうか。その場合、この時間単位申請は既存の勤怠管理システムで対応は可能なのでしょうか。畑違いでよく分かりませんが、給与制度変更の際、システム部門と折衝を重ねた少しばかりの経験を思い出してみると、相当煩雑なシステム改編作業が予想されるところです。

 例えば所定労働時間が6時間、7時間、8時間の社員が混在する会社において、それぞれが1時間ごと年休の時間単位取得を複数回行ったとしましょう。システム上、それぞれの社員の残有給時間数が適切に管理されるか否かが問題となるものです。
 あるいは所定8時間のある社員が有給日数分を使いはたしてしまい、残っていた時間単位年休3時間分を取得するとして、賃金システム上、これが3時間分の有給取得⇒賃金支給までスムーズに対応できるでしょうか。今つらつら考えているだけで頭が痛くなる問題が幾つも湧き上がってくるものです。
 
 そのように考えると、来年4月施行とはいえ、この時間単位付与制度は当面導入するか否か先送りする企業が相当数出るものと思われます。その際はsosコラムで指摘した誠実団交応諾義務等の問題はご留意いただきたいところです。

2 件のコメント:

56513 さんのコメント...

北岡先生
なんというM事件の結末。
負けて人騒がせしておきながら後始末もできないなんて許せないと思うのはわたしだけでしょうか。
失礼いたしました。

kitasharo さんのコメント...

56513様 昨日、コメントを掲載いたしました。率直に申し上げて、何故地裁段階で和解しなかったかが、疑問が残るところでございます。