本年4月に成立した改正派遣法において、地味ながら注目すべき改正点としてグループ企業内派遣規制の問題があります。
大手企業が派遣会社を子会社として設立し、同社が大手企業のグループ企業各社に労働者派遣を行うことがよく見られた訳ですが、今回の改正法はこれを規制することとしました。
派遣元に対して、グループ企業への派遣割合を8割以下とすることが義務付けられるものです。問題はここでいう「グループ企業」ですが、先日の厚労省労働政策審議会労働需給調整部会で示された資料によれば、次のとおりとされています(案段階 詳細はこちら またこちらも参照)。
建議段階 グループ企業を「親会社及び連結子会社」
政省令案
①連結決算を導入している場合
ア)親会社等 派遣元事業主が連結子会社である場合の当該派遣元事業主の親会社等
イ)親会社の子会社等 親会社等の連結子会社
②連結決算を導入していない場合
ア)親会社等 派遣元事業主の議決権の過半数を所有している者
資本金の過半数を出資している者
これらと同等以上の支配力を有する者
イ)親会社等の子会社等
派遣元事業主の親会社等が議決権の過半数を所有している者
資本金の過半数を出資している者
これらと同等以上の支配力を有する者
また8割以下か否かの計算方法については、次の省令案が示されています。
派遣労働者の関係派遣先での派遣就業に係る総労働時間ー定年退職者の関係派遣先での派遣就業に係る総労働時間 ÷ 派遣労働者の全ての派遣就業に係る総労働時間
なお定年退職者の範囲は「60歳以上の定年退職者」とすることとしています。改正高年法案との関係においても、大変注目すべき省令事項と思われます。
今後、改正派遣法の政省令内容および通達が注目されます。
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