衆院厚生労働委員会は1日、60歳で定年に達した社員のうち希望者全員の65歳までの雇用確保を企業に義務付ける高年齢者雇用安定法改正案を民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決した。2日の衆院本会議で可決後に参院へ送付される。3党は大筋で賛成する意向を示しており、審議が順調に進めば今国会で成立する見通しだ。
現行法は労使が合意して基準を決めれば、企業は継続雇用の対象者を選べるが、改正案ではこの規定を廃止する。男性の厚生年金の受給開始年齢が来年4月から段階的に65歳へ引き上げられるのに伴う措置で、基準によって離職した人が無収入に陥るのを防ぐ。
気になるのが修正部分ですが、濱口先生のブログ(こちら)に早速、衆院のリンク(こちら)が貼られており助かりました。なお本修正は提出法案(こちら)の一部を見直したものになります。
現行法は労使が合意して基準を決めれば、企業は継続雇用の対象者を選べるが、改正案ではこの規定を廃止する。男性の厚生年金の受給開始年齢が来年4月から段階的に65歳へ引き上げられるのに伴う措置で、基準によって離職した人が無収入に陥るのを防ぐ。
気になるのが修正部分ですが、濱口先生のブログ(こちら)に早速、衆院のリンク(こちら)が貼られており助かりました。なお本修正は提出法案(こちら)の一部を見直したものになります。
同修正案ですが、高年齢者雇用確保措置を定める高年法9条に次の3項・4項を追加修正する点が注目されます。
3 厚生労働大臣は、第一項の事業主が講ずべき高年齢者雇用確保措置の実施及び運用(心身の故障のため業務の遂行に堪えない者等の継続雇用制度における取扱いを含む。)に関する指針(次項において「指針」という。)を定めるものとする。
4 第六条第三項及び第四項の規定は、指針の策定及び変更について準用する。
厚労省が「心身の故障のため業務の遂行に堪えない者等の取扱い」を指針で定めることを法律上明記するものですが、これは本来、「普通解雇」など企業の人事権行使に直接関わる事項です。従前も裁判所が権利濫用法理によって、企業の人事権行使に対し一定のチェックが行ってきましたが、同条項によって、厚労省(職安局・ハローワーク)が人事権行使にまで踏み込んでチェックを行う基盤が作られることを意味します。
もちろん修正案4項のとおり、同指針は労働政策審議会の意見等を聴いた上で策定することが義務付けられるものですが、同条項を契機に、行政が企業の人事権行使に対し過度な規制を行うことにならないか懸念を覚えるところです。とりわけ当該基準が策定された場合、60歳段階はもちろん、50代以降の社員に対する人事権行使を事実上拘束しかねない点も注意を要すると考えます。杞憂やもしれませんが、雑感として。
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