今年もあっという間に過ぎていきました。今年1年を振り返ると、書籍の発刊、各種専門誌への記事掲載等の仕事が広がっていくとともに、顧問先・スポット企業様へのサービス内容が深まったように感じております。これもひとえに大勢の方々にご支援頂いているおかげです。
来年は更に充実したサービス内容をご提供し、ご支援にお応えしたいと考えています。来年もよろしくお願い致します。
2010年12月31日金曜日
2010年12月30日木曜日
改正労働安全衛生法案における受動喫煙防止対策
先日(平成22年12月22日)、厚労省労働政策審議会は「今後の職場における安全衛生対策について」を取りまとめ、厚生労働大臣に対し建議しました(こちら)。同建議を受けて、厚労省は来年1月からの通常国会に「改正労働安全衛生法案」を政府提出法案として提出すべく、準備を進める予定です。
今回の建議において、まず注目されているのが受動喫煙防止に係る建議です。従前から厚生労働省(労働基準関係)も受動喫煙防止対策をガイドライン等を通じて展開してきましたが、これは「快適な職場環境形成」を目的としたものであり、法律上、事業者に対し義務づけられる性格のものとしていませんでした。これが今回の建議では「労働者の健康障害防止」とその施策の目的を転換するとともに、労働安全衛生法において事業主に同措置を義務づけることが提案されています。具体的には事業主(事務所、製造業等)に対し、職場の全面禁煙、空間分煙が法的に義務づけられるものです。これは大きな政策転換にあたるといえるでしょう。ただし同義務付けに際し、当面はその施行は行政指導によることとし、「罰則規定」は設けないこととされました。
確かに最近では多くのオフィス、工場では、全面禁煙、空間分煙(喫煙室の別途設置)が進んでおり、これが法律上義務化されるとしても、さほど大きな影響を与えないことが見込まれています。これに対して、飲食店などのサービス業では、顧客が煙草を楽しみながら、飲食を楽しむ姿が今なお一般的です。同サービス業においては、接客等を担当する従業員は顧客が喫煙する環境の中、業務に従事する事になりますが、この場合、上記問題をどのように考えるべきでしょうか。
この点が同建議取りまとめに際しても、大きな問題となっていました。これについて同建議では、以下のように取りまとめを行っています。
飲食店、ホテル・旅館等の顧客が喫煙できることをサービスに含めて提供している場所についても、労働者の受動喫煙防止という観点からは、全面禁煙や空間分煙の措置をとることを事業者の義務とすることが適当である。しかしながら、顧客の喫煙に 制約を加えることにより営業上の支障が生じ、全面禁煙や空間分煙の措置をとること が困難な場合には、当分の間、可能な限り労働者の受動喫煙の機会を低減させること を事業者の義務とする。具体的には、換気等による有害物質濃度の低減等の措置をとることとし、換気等を行う場合には、浮遊粉じん濃度又は換気量の基準を達成しなけ ればならないこととすることが適当である。
以上のとおり、サービス業の一部については、全面禁煙・空間分煙の措置を講じることが困難な場合、当分の間として「労働者の受動喫煙の機会を低減させること」つまりは「換気等による有害物質濃度の低減等の措置」を講じることで、全面禁煙等の措置に代替することを許容するとします。
問題はこの「換気等による有害物質濃度の低減等の措置」ですが、建議では基準として以下のものを挙げます。
換気等による有害物質濃度の低減等の措置により、浮遊粉じん濃度又 は換気量の基準については、粉じん濃度:0.15mg/m3 以下、n 席客席がある喫煙区域 における 1 時間あたりの必要換気量:70.3×n m3/時間とすることが適当である。
同濃度の測定方法、換気設備設置・維持費用の概算などが安全衛生分科会の資料として提出されています。同資料については、人事労務担当者はもちろん、総務担当者、店舗管理担当者も早急に確認・検討すべきものといえます。
受動喫煙防止対策に係る測定方法(こちら)
飲食店における換気対策に係る試算について(こちら)
なお同建議では同義務化に伴い、中小企業等に対し一定の財政支援等の施策を講じるべきとしています。
現在の政治情勢をみると、この労働安全衛生法案の行方も全く不透明ではありますが、まずは情報の整理まで。
今回の建議において、まず注目されているのが受動喫煙防止に係る建議です。従前から厚生労働省(労働基準関係)も受動喫煙防止対策をガイドライン等を通じて展開してきましたが、これは「快適な職場環境形成」を目的としたものであり、法律上、事業者に対し義務づけられる性格のものとしていませんでした。これが今回の建議では「労働者の健康障害防止」とその施策の目的を転換するとともに、労働安全衛生法において事業主に同措置を義務づけることが提案されています。具体的には事業主(事務所、製造業等)に対し、職場の全面禁煙、空間分煙が法的に義務づけられるものです。これは大きな政策転換にあたるといえるでしょう。ただし同義務付けに際し、当面はその施行は行政指導によることとし、「罰則規定」は設けないこととされました。
確かに最近では多くのオフィス、工場では、全面禁煙、空間分煙(喫煙室の別途設置)が進んでおり、これが法律上義務化されるとしても、さほど大きな影響を与えないことが見込まれています。これに対して、飲食店などのサービス業では、顧客が煙草を楽しみながら、飲食を楽しむ姿が今なお一般的です。同サービス業においては、接客等を担当する従業員は顧客が喫煙する環境の中、業務に従事する事になりますが、この場合、上記問題をどのように考えるべきでしょうか。
この点が同建議取りまとめに際しても、大きな問題となっていました。これについて同建議では、以下のように取りまとめを行っています。
飲食店、ホテル・旅館等の顧客が喫煙できることをサービスに含めて提供している場所についても、労働者の受動喫煙防止という観点からは、全面禁煙や空間分煙の措置をとることを事業者の義務とすることが適当である。しかしながら、顧客の喫煙に 制約を加えることにより営業上の支障が生じ、全面禁煙や空間分煙の措置をとること が困難な場合には、当分の間、可能な限り労働者の受動喫煙の機会を低減させること を事業者の義務とする。具体的には、換気等による有害物質濃度の低減等の措置をとることとし、換気等を行う場合には、浮遊粉じん濃度又は換気量の基準を達成しなけ ればならないこととすることが適当である。
以上のとおり、サービス業の一部については、全面禁煙・空間分煙の措置を講じることが困難な場合、当分の間として「労働者の受動喫煙の機会を低減させること」つまりは「換気等による有害物質濃度の低減等の措置」を講じることで、全面禁煙等の措置に代替することを許容するとします。
問題はこの「換気等による有害物質濃度の低減等の措置」ですが、建議では基準として以下のものを挙げます。
換気等による有害物質濃度の低減等の措置により、浮遊粉じん濃度又 は換気量の基準については、粉じん濃度:0.15mg/m3 以下、n 席客席がある喫煙区域 における 1 時間あたりの必要換気量:70.3×n m3/時間とすることが適当である。
同濃度の測定方法、換気設備設置・維持費用の概算などが安全衛生分科会の資料として提出されています。同資料については、人事労務担当者はもちろん、総務担当者、店舗管理担当者も早急に確認・検討すべきものといえます。
受動喫煙防止対策に係る測定方法(こちら)
飲食店における換気対策に係る試算について(こちら)
なお同建議では同義務化に伴い、中小企業等に対し一定の財政支援等の施策を講じるべきとしています。
現在の政治情勢をみると、この労働安全衛生法案の行方も全く不透明ではありますが、まずは情報の整理まで。
2010年12月28日火曜日
あっという間に年の瀬
公私ともに激動の11月~12月でしたが、年の瀬となり、ブログ再開を思い立つほどに落ち着きを取り戻しました。いやいや、我ながらよくぞ乗り切ったものです(笑)。しかしながら、まだまだ仕事は終わりません。
目下、1月刊行予定の著書「有期雇用のトラブル対応実務チェックリスト」(日本法令)の再校中。また来年以降の拙事務所運営体制の見直しも進めなければなりません。
何とか除夜の鐘が鳴る頃までには、終わらせておきたいところ(笑)。
目下、1月刊行予定の著書「有期雇用のトラブル対応実務チェックリスト」(日本法令)の再校中。また来年以降の拙事務所運営体制の見直しも進めなければなりません。
何とか除夜の鐘が鳴る頃までには、終わらせておきたいところ(笑)。
2010年11月30日火曜日
労働保険加入状況のインターネット公開について
12月1日正午から厚労省HP上で「労働保険の適用事業場検索」サービスがスタートするとの事(こちら)。同サービスがスタートすると、従業員あるいはそれ以外の第三者も、自由にネットで事業場の労働保険加入状況が確認できるようになるようです。
厚労省は同新制度について、次の期待を示しています。
労働保険の加入状況を誰でも簡単にチェックできるようにすることで、労働保険未加入の事業主に対し、加入手続を促すことにつながると期待しています。
行政規制の新たな手法といえるかもしれません。注目すべき動きですが、今後さらに同手法が広がる可能性がないか(例えば36協定の届け出の有無等どうか)、また同行政手法は法的に問題が生じ得ないのか(根拠法は必要ないのか、事業主から見て保護に値する情報といえないのかどうか、同公開によって損害を被った場合の問題など(行政側の不備が原因))。色々と検討すべき課題も多いように思われます。
厚労省は同新制度について、次の期待を示しています。
労働保険の加入状況を誰でも簡単にチェックできるようにすることで、労働保険未加入の事業主に対し、加入手続を促すことにつながると期待しています。
行政規制の新たな手法といえるかもしれません。注目すべき動きですが、今後さらに同手法が広がる可能性がないか(例えば36協定の届け出の有無等どうか)、また同行政手法は法的に問題が生じ得ないのか(根拠法は必要ないのか、事業主から見て保護に値する情報といえないのかどうか、同公開によって損害を被った場合の問題など(行政側の不備が原因))。色々と検討すべき課題も多いように思われます。
2010年11月16日火曜日
宅直勤務の労働時間性否定(県立奈良病院事件高裁判決)
県立奈良病院事件の大阪高裁判決が出されたようです(こちら)。 以下産経新聞HPより
病院の当直勤務は割増賃金が支払われる「時間外労働」に当たる、として、県立奈良病院の産科医2人が県に相当額の支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は16日、計約1500万円の支払いを命じた一審奈良地裁判決と同様に「当直は労働時間」と認定。双方の控訴を棄却した。
産科医側の弁護士は「高裁では初めての判断。同様の問題は全国にあり、影響は大きい。労働環境の是正には医師を増やすしかなく、国レベルでの対応が必要だ」と話している。
判決理由で紙浦健二裁判長は、分娩の6割以上が当直時間帯だったことや、通常勤務と合わせて連続56時間勤務になることもあった過酷な労働実態に触れ「入院患者の正常分娩や手術を含む異常分娩への対処など、当直医に要請されるのは通常業務そのもので、労働基準法上の労働時間と言うべきだ」と指摘。
また、当直医は勤務を途中で離れられないことから「(実働時間以外も含む)当直勤務全体について割増賃金を支払う義務がある」とした。
呼び出しに備えて自宅などで待機する「宅直勤務」については、一審に続き労働時間と認めなかったが、紙浦裁判長は「負担が過重になっている疑いもある」と言及し、県知事らに実情調査と体制の見直しを促した。
判決によると、奈良病院の産婦人科では2004~05年、医師5人のうち1人が交代で夜間や休日の当直勤務を担当。産科医2人は2年間で各約210回、当直勤務に就いた。分娩に立ち会うことも多く、十分な睡眠時間が取りづらかったが、一回につき2万円の手当が支給されるだけで、時間外労働の割増賃金は支払われていなかった。
研究会で同地裁判決を議論した際、最も白熱したのが宅直勤務の「労働時間性」でした。この点について1審判決がは必ずしも説得的な理由付けを示していないように感じておりますので、高裁がどのような論旨で、労働時間性を否定したのかが気になります。
病院の当直勤務は割増賃金が支払われる「時間外労働」に当たる、として、県立奈良病院の産科医2人が県に相当額の支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は16日、計約1500万円の支払いを命じた一審奈良地裁判決と同様に「当直は労働時間」と認定。双方の控訴を棄却した。
産科医側の弁護士は「高裁では初めての判断。同様の問題は全国にあり、影響は大きい。労働環境の是正には医師を増やすしかなく、国レベルでの対応が必要だ」と話している。
判決理由で紙浦健二裁判長は、分娩の6割以上が当直時間帯だったことや、通常勤務と合わせて連続56時間勤務になることもあった過酷な労働実態に触れ「入院患者の正常分娩や手術を含む異常分娩への対処など、当直医に要請されるのは通常業務そのもので、労働基準法上の労働時間と言うべきだ」と指摘。
また、当直医は勤務を途中で離れられないことから「(実働時間以外も含む)当直勤務全体について割増賃金を支払う義務がある」とした。
呼び出しに備えて自宅などで待機する「宅直勤務」については、一審に続き労働時間と認めなかったが、紙浦裁判長は「負担が過重になっている疑いもある」と言及し、県知事らに実情調査と体制の見直しを促した。
判決によると、奈良病院の産婦人科では2004~05年、医師5人のうち1人が交代で夜間や休日の当直勤務を担当。産科医2人は2年間で各約210回、当直勤務に就いた。分娩に立ち会うことも多く、十分な睡眠時間が取りづらかったが、一回につき2万円の手当が支給されるだけで、時間外労働の割増賃金は支払われていなかった。
研究会で同地裁判決を議論した際、最も白熱したのが宅直勤務の「労働時間性」でした。この点について1審判決がは必ずしも説得的な理由付けを示していないように感じておりますので、高裁がどのような論旨で、労働時間性を否定したのかが気になります。
2010年11月12日金曜日
労務事情トーク&トーク執筆について
「労務事情」11月1日号(産労総合研究所)から5回連載で、巻頭コラム「トーク&トーク」を執筆しております。
11月1日号が「パワハラ問題」(こちら)、同15日号は「事業場外みなし労働」を取り上げました。労務事情編集部より掲載誌をお送りいただき、ありがとうございました。
本日12月1日号の原稿戻しを致しました。あと残り2本。コラムの連載はなかなか大変ですね(^^;)。読者の皆様に少しでもお役に立つところがあれば誠に幸いです。
11月1日号が「パワハラ問題」(こちら)、同15日号は「事業場外みなし労働」を取り上げました。労務事情編集部より掲載誌をお送りいただき、ありがとうございました。
本日12月1日号の原稿戻しを致しました。あと残り2本。コラムの連載はなかなか大変ですね(^^;)。読者の皆様に少しでもお役に立つところがあれば誠に幸いです。
2010年11月1日月曜日
11月三鷹労働法セミナーのご案内
あっという間に11月を迎えました。近頃は朝方、必ず暖房を入れるようになりました。今年の夏の暑さが嘘のようです(笑)。
今月も定例の三鷹労働法セミナーを開催いたします。今月は諸般の事情から、上旬の11月11日(木)18時から「精神障害の労災認定をめぐる最新動向」を取り上げます(詳細はこちら)。ご利用頂ければ幸いです。
今月も定例の三鷹労働法セミナーを開催いたします。今月は諸般の事情から、上旬の11月11日(木)18時から「精神障害の労災認定をめぐる最新動向」を取り上げます(詳細はこちら)。ご利用頂ければ幸いです。
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